ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「巨大SNS列島」を支える「日本語ブログ」
 これを読んでいると、日本というのは本当に「ブログ大国」なのだなあ、と驚いてしまいます。世界の言語人口の2%にしかすぎない日本語が、ネット上のブログの世界では、「世界一使われている言語」なのですから。まあ、経済的な格差もあって、「ネットをいつでも使えるくらいの環境にある人の中での日本語を使っている人々の割合」というのは、2%よりは高いのではないかなあ、とも思うのですけど。
 こうして日本語で書いている人間が100%日本人ではないとしても、日本人が、「ブログで何かを表現するのが大好きな民族」であることは間違いないようです。ところが、いくら日本語で「世界に正しいことをアピール」しようとしても、実際にそれを読んでいる人の大部分は「日本人」でしかないわけです。

 英語が苦手な僕にとっては悲しくなるような話なのですが、学術論文の世界では、「英語で書かれていない論文は、評価の対象外」となることがほとんどです。それは、論文の内容以前の問題で、「どんなに素晴らしい論文でも、日本語だと、世界の人々は読んでくれない」のです。もちろん、日本国内で出版されている学術雑誌には日本語の論文もたくさん載ってはいるのですが、それはあくまでも「ローカルな価値しかない」ものだと認知されています。英語圏に生まれた人にとっては、母国語で書けばいいわけですから、そんなのすごく不公平だし理不尽だという気持ちは僕にもあるのですけど、だからといって、僕がこの世界の片隅で「お前ら日本語の論文だからって差別するな!」とか叫んでみても、「ハァ?」とか呆れられてしまうのがオチなんですよね。少なくとも「日本語の論文が世界的に通用するようにしていく」よりは「僕が悪戦苦闘して英語で論文を書く」ほうが、世界の人々に読んでもらうためには、はるかに「近道」ではあるわけです、誠に遺憾なことではありますが。

 今、日本中に存在している「正しい日本の姿」「日本のスタンス」をアピールしているブログの多くを読んでいるのは、それが日本語で書かれているかぎり、やはり「日本人」なのです。そして、そこにどんなに正しいことが書いてあったとしても、それはなかなか他国の人には伝わりません。僕が、英語のサイトを「読みこなせない」ので、ほとんど行かないように。
 誰かがそれを「翻訳」してくれるにとても、それが正しい翻訳なのかどうかって、相手の言語に精通していないとわかりませんしね。

 日本人は、同じ日本人相手に「海外で誤って伝えられている日本の姿」を語り、「あそこはなんて酷い国なんだ!」って言いがちなんですが、結局それって、他の国の人からすれば「日本人は自分達だけで寄り集まって、わけのわかんない言葉でこっそり陰口言ってるらしいぜ」みたいな感じなのかもしれません。本当に悔しいことですが、「世界中で同じものが見られる」インターネットでも、「言葉の壁」というのは、イメージ以上に大きいのです。どんなにアメリカや韓国のサイトに酷いことが書いてあったとしても、そこに直接抗議する日本人というのは、本当にごく少数です。誰かが訳した内容を鵜呑みにして、「2ちゃんねる」に集まって日本人どうしで大騒ぎ。もちろん、それもひとつの「世論」ですから、全く社会的な影響が無いわけではありませんが……
 
 この池田信夫さんの「ウィキペディアとの闘い」のエントリーを読んでみると、同じ日本人ですら、池田さん自身やその行為に対して批判的な感情を抱いている人は少なくないようです。考えてみれば「日本人同士だって、そんなにネットでわかりあえているわけではないのだから」、言語を超えての相互理解なんていうのは、夢のまた夢、なのかもしれません。
 同じ日本人同士で、まったりと語り合うブログだって、それはそれで当事者たちが幸せなら、誰かに批判されるような筋合いもないだろうしね。

05月31日(木)
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