ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「男女の愛憎劇」では、新人賞は絶対に受賞できない!
 一昔前は、「恋愛」が主題の「トレンディドラマ」というのもけっこうあったような気がするのですが、最近のテレビの連続ドラマでも「恋愛」が描かれるドラマにしても、「オタク男性とネット掲示板での『名無しさん』との交流」が大きなアクセントになっていた『電車男』とか、クラシック音楽の世界を背景にした恋愛ドラマ『のだめカンタービレ』のように、「恋愛だけを真正面から描いたもの」は壊滅状態です。こんなに医療ドラマとかキャビンアテンダントとかの「専門職」ドラマが流行る理由というのは、おそらく、そういう「プラスアルファ」がないと、視聴者の興味を引けなくなってきているからなのでしょう。
 20歳の看護師と14歳の中学生の恋愛を題材にした小説というのは、たぶん、書いている作家志望の人にとっては「非日常的な、斬新な題材」だという意識があるのでしょうが、それを読む側にとっては、「だから何?」っていう話なのかもしれません。これだけ世間に「驚くべき情報」があって、テレビやネットでそれらに日常的に接していれば、多少のことでは、読者は驚きません。恋愛というのは、誰でも「自分の体験だけは特別」のように思い込みがちなのですけど、それこそ「90歳の大富豪と30代の元プレイメイトとの結婚」くらいじゃないと、みんな驚いてはくれないわけです。いや、その話ですら、僕は正直「ふーん」って感じだったのですが。そもそも、恋愛話なんて、自分が主人公の知り合いであるか、自分が登場しているかでもないかぎり、そんなに面白いものじゃないような気がしますし。
 もちろん、「恋愛小説」を全否定するわけではありませんが、作家本人にたくさんの固定ファンがついているとか、あるいは、書いている人がもともと有名人とかでないかぎり、「頭一つ抜け出す」のは難しいジャンルなのは間違いありません。とくに新人賞では、書いている人は「自分だけの体験」のつもりでも、「同じような恋愛小説」ばかりを何作も下読みの人や選考委員は読まされることになるんですよね。僕だったら、「同じような恋愛小説」というだけで、まともに内容を読まなくなるかもしれません。

 あの渡辺淳一大先生の『失楽園』とか『愛の流刑地』などの作品、僕はあまりにしつこく繰り返される性描写にすぐに投げ出してしまったのですが、逆に、あれだけの有名作家でも、「恋愛小説」で商売しようと思ったら、あそこまで他の作品と「差別化」した「色情小説」を書かなければいけないのだ、とも考えられなくもないのです。本当に御本人がそこまで考えて書かれているかは僕には全くわからないのですが。

03月18日(日)
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