ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■『エンタの神様』の「人気芸人のつくり方」
実は、こうしたシステマチックな製作体制に、拒否反応を示す芸人は多かったという。「『エンタの神様』に呼ばれることを、赤紙が来たと表現する芸人もいた」(五味氏)。つまり最悪なところに呼ばれてしまったという意味だ。個性を押さえ込まれ、自分の意図しないネタをやらされる場合も多いからだろう。だが、最近では「95%の芸人が何でもやりますと言ってくれる」(五味氏)。それもそのはず。出演すると芸人としての商品価値が格段に高まるからだ。3回出演したら、5万円だった営業のギャラが100万円になったケースもあるという。】
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五味一男プロデューサーおそるべし。
僕も『エンタの神様』はよく観ているのですが、ここまでたくさんの人があの番組にかかわっていて、こんなふうに作り上げられているとは思ってもみませんでした。「面白いネタを発掘してきて紹介している」のではなくて、「面白くなりそうな芸人を見つけて、その芸人に制作サイドからネタを提供して出演させる」というのが、『エンタの神様』の制作手法なのですね。「ただ芸人を並べて、次々とネタを披露させていくだけ」のように見えて、実際は、とても大がかりなプロジェクトを組んで、次々に新しい芸人を生み出し続けているのです。そして、その「ネタ」には、その芸人のオリジナルをかなり尊重したものから、ほぼ100%番組側で用意したものをやらせるものまで含まれている、と。いずれにしても、『エンタの神様』でオンエアされているネタには、真の意味での「予想外のハプニング」というのは起こりえないわけです。
しかし、こういう「制作サイド主導」の手法って、芸人側からすれば、たしかにあまり喜ばしいことではないでしょう。自分がやりたいものじゃないネタを押し付けられてしまう可能性も高いわけですし、もしそのネタで『エンタの神様』に出演してしまえば、世間のイメージはそれで固定されてしまうかもしれません。ネタによっては、『エンタの神様』以外のテレビ番組で見せることを禁じられている場合もあるそうですし。それでもやはり、この人気番組に出演するというのは大きなステータスであり、「1回5万円の営業のギャラが、3回の出演で100万円に!」なんていう話を聞くと、たいていの芸人は「なんでもやる」に違いありません。そりゃあ、もともとものすごく稼いでいるダウンタウンとかナインティナインのようなクラスならともかく、多くの芸人としては、「このまま売れないよりは、リスクがあってもチャンスのほうが大きい」ですしね。「赤紙」という言葉には、「不本意だし不安だけれども、出演しないわけにはいかない」という芸人側の本音が隠されているような気もします。五味プロデューサーは、「3年間で5000組1万人の芸人のネタを見てきた」と語っておられますから、「育成対象に選ばれる」だけでもたいしたものではありますし。
そんなふうに考えていくと、この番組で成功できるかどうかって、本人のキャラクターも大事なのでしょうが、それ以上に、ネタディレクターや放送作家の「当たり外れ」って大きいのでしょう。なんだかよくわからない暴露ネタで非難轟々だったクワバタオハラとかも、ある意味、「言われたことをやっただけの被害者」なのかもしれないんだよなあ。
11月09日(木)
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