ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■いちばん「変わった」のは、新庄自身なのかもしれない。
しかし、シーズン序盤の新庄の「引退宣言」の時点では、本当に新庄が最後のシーズンを日本一で飾るなんて思っていた人は、ほとんどいなかったのではないでしょうか。パリーグは、ソフトバンク、西武、ロッテの「3強」の争いで、日本ハムはそのうちの「一角」を崩してプレーオフに出られるかどうか、というのが大方の予想だったのです。
新庄の「引退宣言」というのも、結果的には「ドラマの幕開け」になったわけですが、もし今年日本ハムが下位に沈んだりしたら、「シーズン初めから『引退興行』にしてしまった新庄のせいだ!」なんていう声も出てきたはずです。
第4戦で「涙の勝利投手」になった金村選手にしても、もし日本ハムがプレーオフで敗退していたり、自身が登板していた第4戦でメッタ打ちにされていたり、シリーズで日本ハムが負けていたりすれば、「戦犯」の1人として今後も白眼視され続けることは確実だったわけで。
昨日のビールかけの映像を観ながら、朝のワイドショーで小倉さんが「ダルビッシュが20歳になっていて良かった!」と言っていたのにも苦笑してしまいました。そういえば、いつから「解禁」になったんだ?
終わってみれば、北海道のファンに後押しされて「圧勝」だったようにすら思える今年の日本ハムなのですが、実際はかなり「危ない橋を渡り続けて」これだけの結果を残したのです。逆に、勝負事というのは「とにかく勝ちさえすれば、いろんな問題はほとんど解決される」ものなのだなあ、と感心してしまうくらいです。
僕は阪神時代からメジャーリーグ移籍後までの新庄選手があまり好きではなくて、阪神時代にいきなり「引退宣言」なんてした年には、「何考えてるんだこいつは……」などと半ば呆れかえっていたものでした。
そもそも、参考リンクに挙げた新庄選手の毎年の成績を確認していただければ、新庄選手は今まで一度も打率3割あるいはホームラン30本を達成したことがない「記録には残らない選手」なのですよね。まあ、広い守備範囲と強肩、チャンスに強いバッティング、そして、なんといっても観客をひきつける「華」というのは、新庄選手の「記録に残らない」大きな価値ではあったのですけど。
3年前に日本ハムが北海道に移転してきたとき、新庄は、新しいチームの「目玉」としてメジャーリーグから移籍してきました。入団会見を大勢のファンの前でやったり、かぶりものやホームランの「命名」など、とにかく日本ハムというのは、「新庄がいるチーム」として北海道に浸透していったのです。そして、その陰には、チームの営業スタッフが、北海道のほとんどすべての地域を自分たちの足で回って、地道に広報活動をしてきた効果もあったはずです。考えてみれば、あの広い北海道のことですから、実際の「北海道日本ハムファイターズ」の「商圏」というのは、札幌近辺が大部分のはずで、網走や根室にどんなに「営業」に行ったところで、その地域の人たちが実際に球場に足を運んでくれる機会というのは、そんなにはなさそうなのに、それでも「北海道のチーム」として道民にアピールし続けた球団スタッフの努力が、まさに「結実した」優勝なのかもしれません。
僕は、新庄のあまりに何も考えていなさそうなキャラクターが好きではなかったのですけど、日本ハムに入団してからの新庄は、明らかに変わってきていました。それまでは「新庄剛志」個人が目立つことが多かったのですが、日本ハムに来てからは、「札幌ドームを満員にする」ことを公約に掲げ、パフォーマンスをやるときも自分ひとりだけではなくて、「弟分」の森本選手をはじめ、他の日本ハムの選手たちを「引き立てる」ことに心を砕いているようにも見えました。そして、昨日の優勝決定後の表彰式でも、いちばん端で、静かに喜びに浸っているように僕には見えたのです。
たぶん、「なんでアイツばっかり」というような雰囲気も、日本ハムのチーム内にはあったはずです。だって、成績そのものは、一年目の2割9分8厘、28本塁打は、かなりのものだとしても、それ以降は、「打撃だけなら、レギュラーも厳しいのでは……」というようなものでしたし、かなりの高年俸でしたし。
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10月27日(金)
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