ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「熱烈なファン」という名の免罪符の傲慢
 それにしても、「ファンとしての流儀」がなっていない人というのは、けっして少なくないような気がします。僕だって、コンサートに行ったときに、後ろの席の女の子がずっとカラオケ状態で大声で熱唱していて、「オレはお前のコンサートに来たんじゃないっ!」と内心怒りまくっていたこともありましたし、野球の試合で、酔っ払って下品な野次を飛ばし続けるオッサンの隣の席になってしまい、終始息苦しい思いをしたこともありました(結局途中で帰りましたが)。コンサートやスポーツの試合で、「黙って正座して観ろ」なんていうのはあんまりですし、ときどき飛んでくる野次なんてのは、それはそれでひとつの「風情」みたいなものではあるのですが、やっぱりそれも程度問題。少なくとも近くに座っている人が困ってしまうような人は、「迷惑ファン」のカテゴリーに入れざるをえないでしょう。にもかかわらず、本人たちは「熱烈なファン」だと思い込んでいるのです。
 余計なおせっかいなんだろうけど、どうしてそこまで他人のことに夢中になれるのか、僕には理解不能です。というより、自分の日頃鬱積した不満の捌け口としているだけなのにもかかわらず、「ファンを大切にしろ!」なんて相手に強制するのは、逆に「ファンの暴力」みたいなもののような気もします。「自分たちは『ファン』だから、『サポーター』だから、選手やチームは自分達に感謝し、言いなりになるべきだ!」って言うのは、あまりに理不尽なのではないでしょうか。「一般人」同士であれば、いきなり氷の入ったコップを誰かに投げつけたら、そりゃケンカになってもしょうがない。観客側には、相手は「公人」であり、「ファンを大事にしなければならないスポーツ選手」だから、やり返してこないに決まっている、という「甘え」があったと言われても仕方ないでしょう。日常生活で、あんなゴツイ大男にケンカを売るなんてことは、この「迷惑ファン」だって、まずありえないはずだし。
 ある意味、これだけ情報が氾濫している社会になって、選手とファンの距離は、とくにファン側からすると、近づきすぎている面もありそうです。お互いに一歩引いて敬意を持って接すれば、こんなバカバカしい騒ぎは起きないはずなのに。
 スタンドに殴りこみなんていうのは度を越した行為ですが、こうなる下地というのは、たぶんあったのだと思います。これからは、野球の試合でも、観客をファールボールから守るネットではなくて、選手を観客から守るためのネットが必要になるかもしれません。
 「選手も人間で、オレ達と一緒だ!」と言うのなら、まず、自分の隣の人に迷惑をかけないようにしましょうよ、その人も「同じ人間」なんだからさ。

11月23日(火)
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