ID:58519
にきにっき
by アカネール
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■一宮たん!
ピアノは、裏切らないとさえ思っていた。
それぐらい人は裏切るから。

僕の回りにあるのは音楽だけで、皮肉にもそれだけで、うまくいっていた。
女の子は、回りにたくさんいたし、欲を吐き出すだけなら、いくらでも出来た。

今までモノクロの世界にいたんだと思う。

だけど、突然明るい色で満たされるようになった。
むぎに出会ったから。

喜怒哀楽が激しくて、真っ直ぐ一生懸命で。見ていてこっちが笑っちゃうぐらい楽しい

考えてみて、こんなに世間から離れて冷めていた僕たちを変えてくれた。
そして僕をモノクロの世界から連れ出してくれた。

会えて良かったと思う。生まれてきてよかったと、はじめて感謝した。
毎日の何気ない日常が本とに愛しくて、楽しい。

そして、むぎがこっそり準備してくれているこの日もとてもいとしい。
僕の誕生日、

一哉でも松川さんでも、もちろん羽倉のためでもない僕のために一生懸命になってくれている姿にどきどきする。

あぁすきだなって気が付く。
こんなにもすきになって、困るなと思いながら、きっと顔は笑っていたに違いなかった。

05月13日(水)
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