ID:58519
にきにっき
by アカネール
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■穴埋め
凄く近い距離にいることになれてしまったんだ。
ふと隣で息をしていることに気がついてどきりとする。

もう長いことこうしていたのに、まるで自然だった。あんなにときどきしていたはずなのに。
いつのまたかその大きな手も低く響く声も、私を癒すようにだきしめることも、普通になっていた。

それが、怖いと感じるか、と言われるとちょっと違う。
朝が少し弱いことも、傷も。
全部ただただ愛しい。
「なんだ、起きていたのか?」

不意に話しかけられて驚いていると、すまなそうに悪かったと言った。

「起こしてしまったか」

そんなことはないけど、理由もなく嬉しくなって、手を握り、指を絡めてまた、まどろみのなかへ落ちていった。

05月12日(火)
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