ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6806,閑話小題 〜招福の「まねき猫」


        < ベスト・エッセイ 2019年 >
   * 国境を超えなかった招福の狸
 まずは、井上章一の『国境を超えなかった招福の狸』のエッセイの概略から…
< 「まねき猫」が世界中にラッキー・キャットとして広まっている。普及を
 始めたのが20世紀の終わりごろ。経済のグローバル化が言われたころ。
しかし、同じ招福の「狸の金○」の置物は全く見かけない。国境を超えられな
かった。股間の袋が問題だった? 何故、日本人は、あれを肥大化したのか?
信楽焼きの股間模様の、あれが。 日本では、金箔を引き延ばす技術が昔から
発達していた。鍛冶屋も、炉に送る風を、この引き延ばした袋で送風するに…
 この股間が膨らむ話は、江戸時代の後期にひろがり、20世紀初めには、招福
の造形として広がる。あのリズムとメロディーは、何と賛美歌という。>
 ―
▼ 「まねき猫」が、この20年で世界的な置物として普及したとは驚き。
 私の机上の小さな置物群には、いない。ちなみに、あるのは、4〜5p大の、
仏像三体、わらしべ長者が二体、7〜8pの布袋様、12〜3pの石像、マリア像
達磨像などなど。 それと、仏像が数十が彫り込んであるクルミが、鎮座する。
半分は母親が集めたモノ、残りは旅行先で買ってきたもの。
 
 ―
   * 新人大臣が一週間に二人、辞めた件
 この程度のことを、週刊誌が内部告発だろうが取上げて騒ぎ立て、辞任に
追込む。それを野党が、鬼の首をとったように記者会見。大臣なればこそ、
問題になっただけのこと。そんなことを言えるだけ潔癖か? 槍玉に上げらた
当人より、彼らの方が、みるに堪えないことが分らないようだ。これでは、
誰も大臣に成れないのでは! 
 ― 
   * 今日はラグビーのワールドカップの決勝戦
 ラグビーも、今までは外国勢との圧倒的な力量の差で、見ることは
なかった。そこで、半数近くの選手と、監督とコーチと、キャプテンまで
外国人で固め、徹した練習でベスト・エイトまで勝ち進んだ。何と、ベスト8
に勝ち残ったのが日本を除いて英国連邦の国だけ。長年の力の蓄積がないと、
勝ち残るのは難しい競技。筋肉の鎧をつけた大男同士の、ぶつかり合い。
ワールドカップが故の迫力があった。私のみるところ、圧倒的にイングランドが
有利に思えるが、さて面白そうだ。 閑もまた適応すると、これが楽しい。

・・・・・・
6442,読書日記 〜やさしさね〜 −3
2018年11月02日(金)
           「やさしさ」という技術 2015/12/3
                  ステファン・アインホルン (著),
   * およそ3千ある宗教の共通点
≪ 人間の集団化、社会に倫理が存在する理由を、アインホルンは2つ挙げる。
 一つは「人間が社会を機能させるために倫理をつくり出した可能性」、
 もうひとつは、「人間に生まれつき倫理力が備わっていたという可能性」。
 ツグミやクジラやサルなどには、集団全体の益になるふるまい(危険を知ら
せたり、エサを共有する行動など)がみられる。これは「相互利他主義」であり、
人間社会で言えば「持ちつ持たれつ」という言葉で表されること。
 動物行動学の観点を入れつつ考えれば、「進化」の過程で倫理的ふるまいが
身についていき、それを社会の統合理念にまで練り上げた動物がヒトである、
という話になる。 「人間どうしの協力作業は、快感を高めるドラッグと同じ
生理的効果をもたらす」のだという(p.125)。これは、幸福感と相互扶助行為が
関係していることを示唆するが、同時にアインホルンは、「やさしさは得だ」
と説いてきたのが宗教であると述べている。
 
 地球上のおよそ三千の宗教に共通するのは、
「他人からこう扱われたいと思うやりかたを、自分が他人に接するときの指針
 にすべきだ」(p.132)という、似たような倫理を持っている点。
・自分が嫌なことを他人にしてはいけない (ユダヤ教、タルムード)、
・人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい

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11月02日(土)
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