ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6760,閑話小題 〜木島佳苗という生き方 ー1

   * 連続不審死事件の木島佳苗
 酷い事件ということより、あの風貌で、何でまた男たちが次々と騙され、
殺されたのかの疑問が残った事件。心理学者の香山リカと入不二基義の対談が、
何とも、木島佳苗という人物構造を炙り出していた。
 ところが、昨年1月、3度目の獄中結婚を果たし、しかもその相手が
『週刊新潮』のデスクX氏であることが判明した。 
  〜ネット検索によると、
<X氏は、木嶋死刑囚のブログ「木嶋佳苗の拘置所日記」で“王子”として
 たびたび登場した人物。書簡のやり取りを通して、結婚に至ったという。
香山リカと哲学者の対談集『明るい哲学の練習』の中の‘入不二基義’との
対談で、この妖怪のような女に触れている。 
   〜なかなかな深堀りの内容である〜

≪◉ 香山リカ: 木島佳苗という連続不審死事件の犯人。沢山の愛人がいて、
 そのうちの何人かを殺害に至った罪に問われていた。 仕事で、あの人の
裁判傍聴に行きましたが、一回いったら、あまりに興味深くなり、その後、
3回ぐらい、傍聴にいきました。彼女は、やはりネット上ではすごく自分を
演出していました。美人の料理研究家で、ピアノが上手で、アップした写真も
実にうまい角度で撮っていて、それだけ見ると凄い美人なんです。文章も上手
くて、メールで男の人をその気にさせていたらしいけど、それはネットだけでは、
駄目で会わないと最後にお金にならない。多くの人は、ブスでデブの彼女に、
何でまた?と疑問をもったはず。 …ところが、この人の裁判を傍聴していて、
ネット上の彼女と文章とイメージが完璧だということ。それに傍聴席から聞こ
えてくる声がすごくきれいなんです。あと、手書きの字がきれいなんです。
そんなこんだで、報道された写真の見た目の印象なんか、どうでもよく思える
ようになってしまう。あそこまで、自分のイメージを固めると、生身の身体って、
もしかしたら、最後はどうでもよくなってしまう、気にならなくなる。
デブでブスの印象が消えてしまう感じに襲われる。

◉ 入不二: 彼女のブログを読んだことがあるが、それを踏まえて、手書きの
文字が非常に美しくて、声がきれいという点は、彼女の怪しい魅力を支える上で
ポイントでしょうね。文字や声の美しさは、身体の延長線の一部で、単なる
イメージや印象ではなく、むしろ「生身」に近いのではないでしょうか。
しかも、声や文字という身体は、顔のつくりや、体系とは違って、元から切り
離して使うことができる「生身」。彼女のブログを読んで感じられた文章の
感触もまた、その延長上にある「もう一つの身体」のようだと思いました。
ひょっとすると、ブス、デブは小さいことで、「総合的な身体」が、生なましく
感じられるならは、その欠点が、他の美しさを際立てることになる。
こういうことを使いこなせる人だったのでは? そのアンバランスのギャップが、
魅力を増していたのでは。逆に現実の顔とか体って大したものじゃないのかな、と。

◉ 香山リカ: 顔や体は、人間にとって一番かどうかは別として、かなり
重たい要素に違いないと思っていたが、実は、そうでもないかもしれない。
他の要素が揃っていれば、消すことがことが出来るんだと… ≫

 ―
▼ 18年5ヶ月も、毎日、欠かさず材料集めを含めると、3時間もフロー状態
で、エネルギーを持って書き続けていると、魂のボディのような気分になって
しまう。それも、連日、可能な限り同月同日の過去文を目に通していると、
<現実の自分は、その一部分>という気分になってしまっているためか、
いやに納得…
『家についていっていいですか』に現われたキャバクラ嬢が、
「私にには、内なるファンクラブがあって、ランク付けがあるの… 
客とは枕はしないけど、会員は格別大事にするの』と、宣っていた。 
内なる声で『どのように格別に大事にする?』と、思ったが、そこは、魔界。
日夜、タヌキと狐の化かし合いが続く?
 木島佳苗の職業は「詐欺」で、毎日の仕事は、新規開拓の顧客確保と、会員の

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09月18日(水)
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