ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[384532hit]
■6725,読書日記 和式/洋式トイレの謎を探る
<『世界のしゃがみ方』ヨコタ村上孝之著>
* 旅先の最も切実の問題
ツアーで世界中の秘・異郷を中心に訪れてきたが、問題は窃盗と、トイレ問題。
強硬なスケジュールに身体がついていけない。 旅行代理店がツアーを
組む時に、最低限のトイレ施設があるところを組むが、それでも、無理の場合が
多々ある。 例えば中国の新羅ウィグル地区の道路沿いのトイレなど、卒倒し
そうな不潔なところに行き当たることがある。また女性の場合、砂漠の真中で
予め予定して持ってきた傘を立てて用を足すケースなど序の口。ことトイレに
関しては注意に注意を重ねても、突然、襲ってくる難物。そのためか、多くの
書籍が出ている。「入れたものは出さねばならない!」のは、出産と一緒?
〜まずはAmazonの「説明」より〜
《 和式/洋式という二項対立的な呼び方のせいで、西洋のトイレはすべて洋式と
日本人は思いがちだ。しかし、ロシア(旧ソ連)各地や東欧圏では和式(しゃがみ式)
トイレが主流であり、西欧においても農村などでは同様のトイレが散見される。
つまり、和式/洋式という図式で考える見方は誤りなのだ。「和式トイレ」の観察・
分析を柱に、世界各地のトイレの背景にある社会的・文化的事情を読む。 》
―
〜ネットでみつけた概要より〜
《 本書の趣旨は、ほぼタイトル通り『しゃがみ方』に纏わる国際的な“民俗誌”
ーー端的には副題の『和式/洋式トイレの謎を探る』レポートーー と言って良い。
本書をして“トイレ民俗学”と言うべきかは心許ないが(近年では国内だけだが
斎藤たま氏に依る『便所の民俗誌』・論創社刊があるのでこの方面の民族的学究
は存在するようである)、本書の構成・内容、考証・分析は極めて史料実証的で
あり、かつ現場臨床的である。但し本稿を含めて本書は、些か「尾 籠」な方面
の具体的描写・トピックが多く(「便器」等の物理的構造・写真・態様・史資料
描写・失策・後始末ほか)、率直な筆致が散見されるので、食事中の方や耐性の
ない方は予めご注意願いたい。このページの「商品の説明」には、本書の“核心”
を突く紹介があって、「和式/洋式という二項対立的な呼び方のせいで、西洋の
トイレはすべて洋式と日本人は思いがち…ロシア…や東欧圏では和式(しゃがみ式)
トイレが主流であり、西欧においても農村などでは同様のトイレが散見……
和式/洋式という図式で考える見方は誤り……『和式トイレ』の観察・分析を柱に
……背景にある社会的・文化的事情を読む」とある。「和式/洋式」の分類の
矛盾と、西洋における「しゃがみ式」の非特殊性、日本及び西洋に見える
「立ち小便」の男女の様態(歴史的一般性)、“後始末”(拭う・洗うなど)
の様々、中国式のいわゆる「ニーハオ・トイレ」に限らない“開放型”から
個室化の変遷と意義など、実証的・分析的に考察しており、なかなか面白い
(目から鱗の)トピックから成っている。
・個人的に興味を惹いたのは、やはり「和式」ーー著者の分析(「便器」に
拘泥しない前提)に従うと正しくは「しゃがみ式」ーーが、日本独自の言わば
“未文明的”な様態ではなく、ロシアを含めヨーロッパ等でも歴史的には一般的
であり、現在でも残る地域があるということである(第1章)。
中でも興味深いのが「トルコ式」形態とオスマン朝の勢力関係を連関させる
見解に異を唱え、「しゃがみ式」がオスマン朝の特有の文化でないことを実証的
に反証している(71〜75頁)。
またフランスでの「腰掛け式」(いわゆる「洋式」)が19世紀頃まで優勢だった
理由に、「便座」の非衛生感(“感染症”の忌避)があったと、説得力のある
考察が見える(44頁)。元々フランスなどヨーロッパでは、家屋内には「トイレ」
を作る習慣がなく、携帯式「便器」が主流であったことは著名な事実である
(122〜129頁)。しかも終わった「便器」の中身を窓から戸外へ遺棄したとも
仄聞するところで、江戸期の完成された農業リサイクル型インフラがよほど
[5]続きを読む
08月14日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る