ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6635,閑話小題 〜京マチ子が亡くなった
* 京マチ子が、生きていた!
京マチ子が5月12日に心不全のため東京都内の病院で死去、享年95歳だった。
たまたま借りてあった『文芸春秋』の<スターは楽し 芝山幹郎>で、彼女を
取上げていた。出来過ぎだが、こういう偶然は日常的。 さすがにプロ物書き
の言葉は味があり、的を得ている。 (平成29年 文芸春秋12月号)
《 二代目中村岩鴈治郎、田村次郎、山崎豊子、溝口健二… ひと癖もふた癖
もある顔ぶれだが、彼らは京マチ子と相性がよい。逆にいうと、彼らと相性の
よい京マチ子の存在が興味深い。美貌だけでは持たない。豊満だけではあきられる。
愛嬌だけでは白けられる。 肉にコクがあって、動物的な知恵が豊かで、しかも
諧謔性がないと、まず取りあってもらいない。そんな人たちと、京マチ子は繰返し
協働している。溝口とは『雨月物語』『楊貴妃』『赤線地帯』で組んだ。
彼らだけじゃない。小津安二郎も黒沢明も市川崑も増村保造も…京マチ子と
仕事をしている。初期の代表作は『羅生門』『雨月物語』だろう。戦後まもなく、
あれほどの奔放で肉感的な女優が躍り出てきたのは時代の要請だったかと驚いた。
「玄人」と呼ぶしかない山田五十鈴や、「大輪の花」ともいうべき原節子と
異なり、京マチ子の印象は一言で表現しづらい。あでやかで妖しい柄の奥に、
複雑で目の詰まった紋様がびっしり縫い込まれている、とでもいおうか。
何しろ芝居が重層的だ。… 京マチ子は、「ぼんち」をはじめ、山崎豊子の
映画に四本出た。なかでも、『女の勲章』『女系家族』の味が濃い。どちらも
田村二郎に転がされる。洋装学院長を演じ、マネジャーの銀四朗に資産も肉体
をしゃぶりつくされる。どちらの役柄も「お人よし」。 … 》
―
▼ 何か、書き写しながら、筆の鋭さに圧倒されてしまった。それだけ濃厚な
大女優だった。 『京マチ子 あでやかでおかしくて』の副題がよい。
殆どに人は、「まだ生きていたの?」の反応だろう。山田五十鈴の往年の銀座
の老獪な高級クラブのマダム役の姿が印象に残っているが、『京マチ子』も
似合っていただろう。<愛想があって、愛嬌があって、肉が濃くて、動物的な
知恵が豊かで、転がされ上手で… 夜の巷の蝶のような女。>
昭和の良き時代の消滅ですか。
・・・・・・
6272,閑話小題 〜情報の階層化について −3
2018年05月16日(水)
〜NHK:BS1【三和:人材市場〜中国・日給1500円の若者たち〜】
* 弾け出された中国の若者
あるのは小さなカバンと、着たきりのTシャツと、ズボンと小銭。
月給制の職場に堪えられず日雇い仕事で日々を暮らす若者。寝ぐらは、
ゲーセン。その実態は、現代社会の蔭を象徴している。日本のホームレスの
中国・深セン・バージョンというところか。大陸なればこそ、深刻度は深い。
これなら犯罪を犯しかねない状況である。
〜NHK・HPより〜
《 中国・深センにある職業斡旋場・三和人材市場。
工場労働からはじき出され、1日働いて3日遊んで暮らす「三和ゴッド」
と呼ばれる中国の若者を、何が追い詰めているのか。
総資産が1億7000万円以上の富裕層が7万人に達する深セン。
格差社会の底辺から脱出できずもがく若者たちの間に不満が高まっている。
豊かになる夢を持ってやって来た出稼ぎ労働者の希望は、失望と不満に変わる。
三和市場で日雇いの暮らしを3か月送った男性は、深センを離れることを決めた。
中国の繁栄を謳歌する最先端都市・深セン。その発展を支えてきた人々。
しかし急成長がもたらした貧富の格差と負の連鎖によって、若者たちの夢は
更に手の届かないところに行こうとしている 。》
―
▼ 月給制は縛られ窮屈と、日給の働きを求め、ゲーセンで過ごす若者達。
情報化がもたらした原子化した流砂の民の象徴。誰が悪いのではない…
思わず魅入ってしまったのは、彼らの姿の中に、何やら、老い先短い?
我が身の姿「俺たちには明日がない」に重なる部分があったからか。
ネットサーフィン、TVドラマ、TV]映画、シネマ館の仮想の世界に日々、
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05月16日(木)
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