ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6142,読書日記 〜「続・下流老人」 ー4 問題は、最期10年を如何に?
<続・下流老人 一億総疲弊社会の到来・2016/12>
* 深刻な地域格差
20年近く前になるか、当時、経営していたビジネス・ホテルのフロントに
フランス帰りの20歳後半の料理人が、「就職先が決まるまで」と準社員として
勤務していた。そこに片田舎の新卒女子が同僚として働いている内に親しくなり、
結婚。 『フランス帰り』に憧れた純朴な娘が一方的に惚れた結婚と聞いていた。
そして妊娠、退社をしたが… フランス帰り料理人は、務め先が見つからず、
そのまま勤務をしていた。が、生活が成りゆかず、離婚。嫁は子供をつれ出戻り
のコース。ここまでは、どこにもある話。後で聞き知ったのが、その後、彼女は
元亭主に子供の引取りを依頼、第二の人生を歩みだしたが、その苦悩は如何ばかり。
「時間の経過とともに後悔が膨らむのは自明」だが、ここで見てとれるのが…
知識・経験不足と、貧困問題。今どきの日本人の3組に1組、アメリカで2組に1組、
西欧では3組に2組の割で離婚というが。当然、そこには苦悩と混乱が発生する。
大学時代の同級会で、嫁がルーマニア人という男の愚痴。さすが全国区の話題。
<金銭にシビアにも程がある。同じ欧州人でも、貧しい国の人間は、人間性まで
貧しい。とにかく卑しい。アジアならタイやベトナムは農業・漁業が盛んで
豊かだが、ラオス、フィリピンは違う。姿かたちは最初のうち>と息巻いていた。
<日本は太平洋ベルトラインなど大都市は比較的豊かだが、そこを外れた地方は…
とりわけ過疎地域は…>。 淀みが水場を悪くするというが…。
参考になるのが自殺率。上位10県を高い順にみると、秋田、青森、岩手、島根、
新潟、宮崎、山形、高知、和歌山、佐賀。 最も高い 秋田県の10万人あたりの
自殺数42.1は世界第1位のリトアニアの44.7(2002年)より低いが、世界第2位
のロシアの38.7(2002年)を超えている。私の住む新潟県は5位になる。5年前に
女性がワーストになっていた。 下位5県を低い順に あげると、奈良、神奈川、
徳島、千葉、愛知。比較的、気候が穏やかで、大都会に近隣して豊かである。
・・・・・・
5045,生と死をめぐる断想 ー2
2015年01月06日(火)
『生と死をめぐる断想 』岸本 葉子(著)
* 頼藤和寛 〜にもかかわらず、生きる
『人みな骨になるならば』頼藤和寛著 の書評を数年前、ここで取上げた。
底しれないニヒリズムと、「にもかかわらず、真摯に生きる」頼藤の姿に
心が動かされた。ここで岸本は、「だから」「しかるがゆえに」の換わりに、
「にもかかわらず」の頼藤の生き様、言葉に励まされる。ーその辺りよりー
≪ 願望に基づく世界観の構築を、彼は拒む。自らの避けられない死際にしても
その立場を徹底する。その姿は、認識の鬼とでも形容したくなるような、ある種
の凄みを持っている。医師を続けてきた頼藤は患者から「何も悪いことをして
いないのにどうしてこんな病になったのか」という抗議を幾度も聞いてきた。
彼は述べる。科学的に研究をすれば、善人と悪人とで罹患率や平均余命などに
有劣の差はないと、証明されてしまう。心理学は善悪に関して死後の因果応報を
信じがちな人ほど願望充足的な推論や希望的観測を多用するという実験結果を
つきつけてくるかもしれないと。「自然現象に人間的な道理は通用せず、
来世で辻褄を合わせようとする世界観は心理的な自慰にすぎないことを強く
示唆している」。(頼藤和寛『人みな骨になるならば』)
・おそらく世界の実相は、人間の都合とは無関係にある。
「このことを、実は、何千年もおんちょうのあいだ人類は怖れてきた。
われわれは幸福がなにかの恩寵によるもので、耐え難い災厄ですら
なんらかの意味をもつと信じたがった」。
・「世界には、ニヒリズムを突き崩せるような物証は何もない。なぜなら
われわれは、自分が信じたいように世界を観たのではなく、人間に可能な
かぎり禁欲的に宇宙のありのままを見据えてきたからである」
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01月06日(土)
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