ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[384111hit]

■6141,読書日記 〜「続・下流老人」 ー3 サイレントプア問題
           <続・下流老人 一億総疲弊社会の到来・2016/12>
   * サイレントプア    
 何事も皺寄せは弱者の方に行くが、多問題家族や、シングルマザーの貧困層
だけでなく、都会と地方格差の問題がある。青森や沖縄など地元大学関係者など
の話に、「うちの地方など‘貧乏が普通の状態’がある。それ以前に、自分の
貧乏すら気づいていない。誰も声を上げない貧乏を‘サイレントプア’という。
過疎化など人口の50%以上が65歳以上の高齢者になって冠婚葬祭など社会的共同
生活の維持が困難になっている集落を「限界集落」という。跡継ぎもおらず、
高齢者が地方に一人だけ取残される現象は‘家族消滅’の象徴である。
私を含めた姉・兄の甥姪の地元在住は、私の長男の一人だけ。あとは首都圏。
 高齢化にともない、年金補助金不足から、政府は、「一億総活躍社会」と囃し
たてているが、女・老人も極限まで働け!ということ。誰が還暦過ぎても働い
ものか。例外はいるが… お金が、あればこそ面白いが、金欠なら、話は別。
要するに‘高齢者の働かない自由’が奪われた社会になることを意味する。
生涯現役社会が、本当の豊かさの訳がない。

   * 介護難民の増加 〜下流介護難民
 それぞれの人生の格差が、そのまま上流老人と下流老人の格差が生じるため、
ことは深刻。グレードの高い老人ホームの一時金だけで4億のものもあるという。
逆の「下流老人」は、実に厳しい状況になる。それを改善する手立てのサービス
は、現金ではなく、現物支給でなくてはと、著者は強調する〜
『 …つまり一律の現金給付では‘個々人の生活の必要’に即した弾力的な
制度運用ができない。簡単な話。『車椅子をあげます』という時に、障碍者の
ふりをして車椅子を貰う人はいません。でも、『現金であげます』といったら、
障碍者のふりをして現金を貰おうとする人はたくさん出てくる。現金と現物は
違うのです。だから普遍的ニーズを満たすために現物支給をすべしと言っている
のです。』 スペインやギリシャで生活困窮者への食事提供をTVで放映していた。
 誰もが下流介護難民の可能性がある。死んでしまえば、それも解消される?
「長生きをしたくもあり、したくないもあり…」生きている故に言えることだが!
  〜で、以下に続く
・・・・・・
5044,生と死をめぐる断想  ー1
2015年01月05日(月)
    『生と死をめぐる断想 』岸本 葉子(著)
 * 死をそばに感じて生きる 〜団十郎の辞世
   ー 色は空 空は色との 時なき世へ ー
 以下は、序文の冒頭の内容。日本人の2人に1人の割合でガンになり、
3人に1人の割合で亡くなるという。高齢化で、ガンになるまで、死ななく
なった結果、死を意識する時間が長くなったこともある。今では死に関する
知識を、一般の人が、ネットなどから死生観を収集したり、表現できる機会が
増えている。 ー まずは序文の冒頭からー
≪ 2013年2月に亡くなった歌舞伎俳優の市川團十郎の辞世の句だ。
 葬儀の場で長男の團十郎のパソコンに残されていたという。
詠まれたのは前年の十二月、亡くなる数ヶ月前である。
 色は空(そら)、空は色(いろ)との 時なき世へ、と海老蔵は読んでいた。
この句に接し、『般若心経』の中のあの一節を思い浮かべる方は多いだろう。
色即是空 空即是色。それに寄せて読むならば、冒頭の句は、
 色は色(しき)空  空(くう)色(しき) との時なき世へ、となる。 
色はかたちあるものと、ひらたくは言われる。空は空っぽ、何もない、という
ことか。空しい、ということか。かたちあるものは実は何もない、空しい、と
教えているのか。そうではない。(略)・・ このことは追々深めたい。
時なき世とは。時間のない世。時間を超えた世。超時間性は永遠と言換えられる。
それは、この世に対するあの世なのか。この「時なき世」が團十郎の句では
「色は空空は色」と「との」でつながる。「との」は、と言われる、とか、と
聞いている、の意だ。色即是空、空即是色とかねてより聞いている時なき世。

[5]続きを読む

01月05日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る