ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[382851hit]
■6059,閑話小題 〜人生を変える切っ掛けの書
* カズオ・イシグロがノーベル文学賞を
『日の名残り』を読んで、はや20年以上も経ったことに驚いている。
当時、母親を看取ったばかり51歳。主人公と同年代もあってか、この一節
がそれまでの「生き方」を変えてくれ、ハッピー還暦に導いてくれた個所!
―
《 なあ、あんた、わしはあんたのいうことが全部理解できているかどうか
わからん。だが、わしに言わせれば、あんたの態度は間違っとるよ。いいかい、
いつも後ろを振り向いていちゃいかんのだ。後ろばかり向いているから、気が
滅入るんだよ。何だって?昔ほどうまく仕事ができない?みんな同じさ。
いつかは休むときが来るんだよ。わしをみてごらん。隠退してから、楽しくて
仕方がない。そりゃ、あんたもわしも、必ずしももう若いとはいえんが、それ
でも前を向き続けなくちゃいかん…
人生、楽しまなくっちゃ。夕方が一日で一番いい時間なんだ。足を伸ばして、
のんびりするのさ。夕方がいちばんいい。わしはそう思う。みんなにも尋ねて
ごらんよ。夕方が一日で一番いい時間だって言うよ。⦆
―
そこで『還暦までの9年間で、30年分を圧縮して生きる』を決心する切っ掛け
になっていた。20年近く経過した現在、この決心のお陰で、充実感と、達成感が
残っている。 それもあって、少しハードな着陸?にも、平然としていられる。
〜ネット検索から〜
≪ ことしのノーベル文学賞に日系イギリス人で世界的ベストセラー作家の
カズオ・ イシグロが選ばれた。 1989年に出版された「日の名残り」は、
第2次世界大 戦後のイギリスの田園地帯にある邸宅を舞台にした作品で、
そこで働く執事の回顧録風物語。...日本では翌年7月に翻訳出版された作品。
【あらすじ】
< 時は1956年、アメリカ人の主人の下で屋敷の運営がうまくいかず悩んで
いる執事スティーヴンズのもとに、かつて女中頭であったミス・ケントン
(現在はミセス・ベンになっているが、スティーヴンズにとってはいつまでも
ミス・ケントンなのである)から手紙が届く。彼は行間にミス・ケントンの
復職の願望を読取り、主人のはからいで彼女の住む南西イングランドのコーン
ウォールへの旅に出発する。
執事としての仕事における成功?と、もはや取り戻しようのないはずの元同僚
への想い。そのふたつのことが再び成就するのだろうかという淡い期待。
伝統的でありながらも徐々に翳りつつある英国と重ね合わせ ながらも、独特
の展開は我々を著者のみが知る世界へと引き込む。 ≫
―
▼ 20歳で、創業を決意し、プログラムに沿って生きてきたが、
それに匹敵する生き方の節目の切っ掛けになった著書である。
<隠退してから、楽しくて仕方がない。…人生、楽しまなくっちゃ。
夕方が一日で一番いい時間なんだ。>
6年前のリタイア後、その感がさらに高まっている。
<どれでも前を向かなきゃいかん> が人生に最も重要なこと。
読書や、TVで名作映画を見ることも。感動する心を育てることが可能。
感激、感動の心を萎めないこと。そのためには、まず孤独を味わうこと。
死の字は ―の下に、タヒと書く。
〜で、偶然だが、去年の文章に文脈が続いていく。
・・・・・・
5692,近くに住む従兄の死
2016年10月15日(土)
* 近くに住む従兄の死
・一昨日の夕刻、近くの父方の従兄が早朝に逝去した知らせがあった。去年の盆
にお参りにきた時に、あまりの激瘠せに驚いたが、『ガンの手術で10数キロ
も瘠せた。その後の抗がん剤治療を拒否、自然死を選ぶことにした。』と言って
いたので、余命一年と、推測していた。今年の盆のお参りには奥さんが来られて
お参りをしていったが、あまり詳細を語らず帰っていった。
ところで、亡くなられの朝、玄関前を通り過ぎようとしたときに人の気配が
したので見ると、ガラス戸の横に、白い人影が立っていた。よく見ると、錯覚
だったが、今までなかった経験である。因縁めいたこともなし、忘れていたが、
奇妙な偶然としては出来すぎか。何でわが家に?、いや私のところに?
[5]続きを読む
10月15日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る