ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[383112hit]

■5899,『しあわせ仮説』 −5  
           『しあわせ仮説』ジョナサン・ハイト著 
   * 危機にぶち当たった時の対処   
≪ 人は危機に当たった時の対処に主に3つの方法で対処する。
・能動的対処:(問題解決のための直接行動)
・回避的対処:(その出来事を否定したり、薬物などで気を紛らわせたり)
・再評価:(思考を正したり、希望の兆しを探したり、心の内部を変える)
楽観主義者は、能動的対処と再評価の間で揺れて、対処の中で能動的
物語の粗筋をつくっていき、悲観主義者は回避的対処と再評価の間で消極的
物語、意味づけをしていく。楽観主義そのものに意味(価値)があるのでは
なく、楽観主義者がたやすく見出す「意味づけ」にある。〜P/217 ≫ 

▼ 態度価値といえば、フランクルである。 彼によれば、
【人間が実現できる価値は創造価値、体験価値、 態度価値の3つに分類される。
・創造価値とは、人間が行動したり何かを作ったりすることで実現される価値で。
仕事をしたり、芸術作品を創作したりすることがこれに当たる。
・体験価値とは、人間が何かを体験することで実現される価値である。
芸術を鑑賞したり、自然の美しさを体験したり、あるいは人を愛したりする
ことでこの価値は実現される。
・態度価値とは、人間が運命を受け止める態度によって実現される価値である。
病や貧困やその他様々な苦痛の前で活動の自由(創造価値)を奪われ、楽しみ
(体験価値)が奪われたとしても、その運命を受け止める態度を決める自由が
人間に残されている。】
 これから危機の対処方法をみると、人間としての生きる意味そのままが現れ
出てくる。再評価が態度価値になる。「受け止め方」を変えることになる。
価値実現のために、「意味づけ」「物語化」が必要で、態度価値を冷静な視線
で捉えておかなければならない。6年前の節目で、まず整理したのが、態度価値。
危機はチャンスでもある。チャンスは、節目を全身で叩きつける切れ目を凝視
する機会にすること。新たな支点で世界をみるための既成概念を叩き壊すこと。
 危機があればこそ物語が生まれる。世界が広がっていくのである。

・・・・・・
5534,若者よ、外に出よ! ー⑬ 19世紀の芸術に触れろ 〜B
2016年05月10日(火)
               『人生の教科書』なかにし礼著
 ここで、若者に、<海外に出て、自然と、芸術作品に触れ、読書などで
教養を積み、恋愛をしろ>と勧める。これは若者だけでなく、壮年、老年に
も言えること。情報化社会の中で、クラシックをジックリと聴く余裕は少ない。
しかし、今ではアイフォンがあり、何千、何万の音楽を入れておくことが可能。
更に今では、定額のネット配信で好きな音楽を好きな時間に聴くことができる。
そのベースとなる19世紀クラシック音楽鑑賞を趣味にすることを勧める。
  * なぜクラシックを聴くべきなのか
≪ 芸術を学ぶ際、音楽なら、黙ってクラシックを聴くこと。いまだに
クラシックは不滅の音楽なのだから、それを聴くことが趣味になれば最高だ。
たとえ趣味となり得なくても聴くべきである。
 特に、やはり19世紀の音楽。18世紀にはモーツァルトがいるけど、彼の死後、
すぐベートーヴェンへ、19世紀の音楽へと繋がっていく。ベートーヴェンから
始まって、シューベルト・ショパン、ブラームス、ワーグナー、マーラー、
ブルックナー、ベルリオーズ……とにかく19世紀だ。
 ロマン派の時代である19世紀は、前世紀の革命時代が終わり、
「人間は進化する」ことを人類が知った時代である。愛によって人間は死ぬ
こともできるし、愛によって罪を犯すこともできる。そして「人間は進化して
神にもなれる」という思想を、芸術家たちが作品の中に叩き込んだ。
19世紀は人間の可能性のすべてを歌いきった時代なのである。
 文学の世界でも、トルストイ、ドストエフスキー、バルザック・ユーゴ、
アレクサンドル・デュマ、スタンダール、ゲーテ、バイロン、シラー、ボード
レール・ベルレーヌ、ランボー、オスカー・ワイルドなど、大作家が生きた

[5]続きを読む

05月10日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る