ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5829,閑話小題 〜しまった! ー 視点の変更から考えるー 16

  
   * 視点の変更で考える
 この本で、「ローソク問題」が紹介されている。考えたものである。
箱入りの画びょうと、箱を分ける発想に考えに至らない。思いつくのは極、
一部の人たちだけ。人生も似ているところがある。手持ちの材料の再点検を
して、使い方を考える。考えて考えて考えて、無い知恵を出す。そして、
「機能的固着」に気づいて、一歩外に出て、視点の逆転をする。役割における
「機能的固着」は、私たちの人生を牢獄にする。それが… ある日、突然に、
『さあ、自由に羽ばたきなさい!』と、不要物として、放り出されたとしても、
成す術が出来てない。 〜以下は「ローソク問題」ネット検索で調べた内容〜
《 …心理学者のKarl Dunkerは、ある実験をした。
 被験者に図を見せて、ロウソクと、マッチと、箱一杯の画びょうがあります。
テーブルに蝋がたれないようにロウソクを壁に取り付けてくださいと尋ねた。
被験者たちはなかなか正解に辿り着けない。この問題は、ちょっとした発想の
転換を必要とする(でも労力は要らない)、結構な難問なのだ。
 この実験では、もう一枚の図が用意されている。大きな差はない。
パーツは全て同じだ。でもその図では、画びょうが箱の外に出ているもの。
テーブルの上にあるのは、マッチと画びょうとロウソクと、箱。
これで同じことを被験者に求める。「テーブルに蝋がたれないようにロウソク
を壁に取り付けてください」こうすると、被験者たちは易々と正解に辿り着く。
もともとの問題が解けない理由は「機能的固着」のためだとされている。
人々は、画びょうが入っている‘箱’の存在に気がつかない。気がついても
その真の価値に気がつかない。箱の機能を無意識に固定してしまっている為だ。》
▼ 箱から画びょうを外に出した後に、内側から壁にとめて、土台にする考えに
 至るのは非常に難しい。そこで元もと外に出しておくと、直ぐ正解に辿りつく。
中村天風のカリアッパとの禅問答、『一度、コップの水を空にしてから、新しい
水を入れろ』の教えに通じる。私たちの日常生活でも、固定してしまった箱に
目を捉われ、その中身を取り出したり、箱そのものを他に利用しようとしない。
死を直前にした虚無の怖れに直面して、それまで縛られ、拘っていた固着に
初めて気づく。そして、独り、『しまった!』と嘯くのが人生の常。そして、
般若心教を急ごしらえで学ぶことになる。それさえ極、一部だけ。
そこで、ドリップアップをした向こう側からの逆転の視線が必要となる。
 
・・・・・・
5464, 『中村ウサギー他者という病』 ー2
2016年03月01日(火)
   * 自殺未遂の顛末
 彼女が書くと、いまいち、シリアスに感じられないのは何故?
自殺をしようとする時には、何か夢うつつの思考ゼロの状態というから、
当人が後で書いた内容は、軽いタッチになるのか。それは、死刑執行直前に
助かったドフトエフスキーのとはチョッと違う。死刑のそれはと、著者の
死にたい気持ちは違う。 〜内容は、あまりにもシリアスである。
≪ 死にたいと思ったことは、それまでにも何度かあった。が、
足が立たないのでタオルを取りにひとりで浴室に行くこともできない。
「身体が不自由だと自殺もできないのだな」と、薄く笑って諦めた。
しかしここ最近、私の身体はめきめきと回復して、家の中なら自分の足
で歩けるようになった。だから、「もう死ねる」と思ったのである。
 まず浴室に行ってタオルを取って、首に巻いてドアノブに結び付けた。
だいぶ回復したとはいえ、まだまだ身体が思うように動かせないので
腕もよく上がらず、ドアノブにタオルを結び付けるのはひと苦労だった。
 ようやく結んで体重をかけたら、レバー式のドアノブだったために
タオルが滑り落ちてしまい、失敗に終わった。 これは、いかん。
息を整えて、もう一度トライした。今度はドアノブから滑り落ちないよう、
しっかりと結んだ。足に力が入らないので、このような作業を中腰で行なう
のは、なかなか大変だった。

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03月01日(水)
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