ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5495,女子漂流
        〔女子漂流 ーうさぎとしをんのないしょのはなし〕
             中村 うさぎ (著), 三浦 しをん (著)
   * 女子は漂流し続ける
 中村うさぎの著書は、図書館にある限り読んでいる。4人の姉の中で、
揉まれたこともあって、うさぎのリアルな話も、免疫があればこそ、
面白く読むことが出来る。それにしても、『ズリネタ』とか、
『女性器の構造の生々しい話』などは、夢も希望もなくなる。
 以下は、女目線の世間のありようを、シリアスに語りあっている。
≪ うさぎ: あたしは女子校時代から、女子力まっただ中みたいな環境に
 生きてきて、40歳を過ぎて、整形をはじめ、エロス権力をいかに長引かせる
 かに 力を入れてる。同じ女子校出身なのに、真逆の人生を歩んできたよね。
 だけど『根底の女子力に対する考え方は、似ているところがあるような』 
しをん: 2人とも、岸からだいぶ離れちゃったところは似てますね。
うさぎ: あたしは派手なグループの島にいて、いかに男にモテるか考えて、
 女子力まっただ中を歩んできたつもりだったのに、いつのまにか岸から離れ
 ちゃって(笑)。
しをん: 私は地味なグループの島で、漫画に没頭していたら、いつのまにか
 岸から雛れちゃって(笑)。
うさぎ: まさに漂流だよ。女子がいかに王道を生きょうとも離れ小島で
 生きようとしても、どっちみち漂流してしまう。じゃあ、漂流しなかった
 女子って誰なの?
しをん: 私も今、考えてたんですけど、沖から大陸に向かって「おーい!」
 って手を振ってみるものの、実はそこには誰もいないんじゃないかと。
うさぎ: 無人の大陸なのか。
しをん: そうなんですよ。つまり、海の上に、大小さまざまな無数の島が
 ぷかぷか浮いてて、そこだけで女子は生息しているのかもしれないですよね。
 それで、たまに別々の島の住人が、ガラスの瓶に近況報告をしたためた手紙
 を入れて送り合っている。だけど、大陸には女子はいないんです。
うさぎ: 大陸には、男がいるんですか?
しをん: 男たちは……、海中でモゴモゴしてるのかな、海藻みたいに(笑)。
うさぎ: 男たちも、それぞれの小島で生息してるかもしれないよね。そう
 考えたら、大陸に人がたくさんいるかもしれないって思うのは、幻想かも。
 大陸という世間体があると思うから、生きづらい。
しをん: そうですよ。上陸許可を得たいと思って、必死で大陸の岸に向かう
 んだけど、いざ着いたら無人なわけですからね。
うさぎ: その岸にマジョリティーがいるって信じているから、生きづらさが
 生まれるけど、そこに誰もいないと分かれば、急に楽になるね。
しをん: そうですね。岸についたものの、生息しているのは見たことのない
 新種の動物だけ(笑)。そう思えば、女子力があろうが、なかろうが、別に
 どっちだっていいんだって割り切れそう。
うさぎ: 本当ですよ。っていうか、女子力って言うあたしって、
 その時点でどうかと思うよ(笑〉。≫
▼ 世間教徒が大半を占める島国日本。舟を自分に例えれば、その舟ベタに
カキの貝殻をつけたままでは、動けなくなるか、沈んでしまう。世間も、妄想・
幻想とみれば、目くじらを立てることもない。あるのは、その後、どんどん
生まれてきている見たこともない新種だけ。アレラは世間とかいう幻覚に取込
まれた群れと見ると、事実そうである。女流無頼漢作家の視線からみれば、
アウトサイダーと自認している私など、世間の垢に塗れた凡人だろうが・・
そりゃそうだ。特殊だから面白おかしいのだから。特殊で無くなったら亡国?

・・・・・・
2015年04月01日(水)
失業率9割の国、ナウル共和国 〜2
   * ナウル共和国の現状
≪ ・最盛期には年間200万トンの鉱石を輸出していたナウルも資源枯渇が進み、
 2002年時点で数万トン、2004年時点で数千トン規模にまで採掘量は減少した。
リン鉱石は島の真ん中に集まっていたが、リン鉱石が掘り尽くされた今、ナウル

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04月01日(金)
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