ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5398,自分史の書き方 ー⑩
『自分史の書き方』立花 隆(著)
* 自分の人生を大きく区分けしてみる
東洋医学の教科書といえる二千年前文献『黄帝内経』に、
「女性は7の倍数、男性は8の倍数」の年齢が節目で、体に変化が訪れる
という記述がある。 進学、就職、結婚などの節目を経て、変化をして
いく中のエピソードを織成し、書き上げるのが自分史。振返ってみて、
確かに、8の倍数の年令期に節目の原因があった。注目するのが、節目という
より、その起因を作っていること。ある意味、ピークの先端だが、不安定の
極めと慢心で判断を間違えていた。 逆に、その数年後に予定挫折を組み、
判断すればよい。危ない!と直感したら、自ら前倒れすればよい。
ゴールデンスワン(幸運)も、ブラックスワン(歴史的不運)の出会いも、
長年の志の準備があればこそ。準備は裏切らない唯一の友である。
〜その辺りから
≪ そこでまず最初になすべきことは、自分史を大きな時代別に
区分けしてみるということだろう。 時間軸で区分するなら、
「幼年時代、少年・少女時代、高校時代、大学時代・・」になる。
職業人としては、「就職するまでとその前後、入社直後と平社員OJT
(現場訓練)時代、企業内のステップアップ過程、動乱と失業の時代
あるいは栄光の時代、リタイアの時代・・・」といった分類も可能だろう。
そのどこかが、家族史(結婚、出産、子供の成長。あるいは病気、死別など)
の大きな区切りとも結びつくだろう。
そして、そのすべてにおいて、住居ないし生活拠点の移動といった空間軸の
移動の歴史が結びつくはずだから、それと結びつけた時代区分にしてもよい。
「故郷とそこを出るまでの時代、東京時代、赴任地の△△時代」のような区分
にしてもいい。どのような時代区分にするのが適当かは、個々人によって
みなちがうはず。自分の人生をどのように区分しようかと考えるところから
自分史の執筆がはじまるといってもよい。
いずれにしても、自分の人生を幾つかの大きな区分に分けてみることが必要。
そのような大きな区分けが見えてくるような自分史年表を作ることが重要だ。
区分したら、一つ一つの区分に適当なラべリングをしておくとよい。
もう一つ重要なことは、人生は単なる4次元時空内移動ではないということ。
まったく別の角度から見ると、それは、常に人間関係の海の中を泳ぎ続ける
ような行為としてあったはず。すべての人が、驚くほど多くの人間関係を
引きずりながら生きていく。その過程でさまざまな喜怒哀楽を友人、知人、
同僚、家族などと共有し合ったり、ぶつけ合ったりを繰り返していくのが、
エモーションの側面から見たときの「生きる」という行為だ。その全体像が
自分史である。自分史にはそういう要素も入れておいたほうがよい。
そういう側面の自分をつかむために、その時々の自分をとりまいていた
「人間関係のクラスターマップ」を作ってみることが必要だろう。
別の言い方をするなら、それぞれの時代に自分を取り巻いていた人間関係の
一覧表を作っておくということである。それらの人間関係から生まれた、
個人的喜怒哀楽のイベント、エピソードを拾いあげるメモを作ることも必要。
自分史は最終的にエピソードの集積体になるわけだから、思いつくたびに
エピソードをメモする、「エピソード帳」なども作っておくとよい。
もう一つ、われわれの人生は、個人とし、個人的エピソードの集積を生きて
いる部分もあるが、同時にわれわれはみな同時代の地球社会のメンバーの一員
として、同時代の日本人社会、同時代の世界社会をさまざまな出来事を通じて
共有しながら、生きてきたということも忘れてはならない。・・≫
▼ 区分けの節目こそ、人生の大きな転機である。節目を叩く!とは、
志があればこそ。区分けの節目のエピソードが織成す絵柄が、人生である。
そうこう考えると、自分史を書き上げるには膨大なエネルギーが必要になる。
・・・・・・
5033,閑話小題 〜書いてあったクリスマス
2014年12月25日(木)
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