ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5323, ウェブ2・0」はどこへ消えた? ー①
       
       ーウェブ2・0」はどこへ消えた?ー古市憲寿
                  『新潮45』〜悪夢の21世紀 より
  * 懐かしいウエブ2・0
 もう10年近く前になるが、梅田望夫の『ウェブ進化論』と、佐々木俊尚の
『ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点』などを読んで、ネット時代
の明るい未来を信じて現在に至っている。ところが、梅田ブログも7年前から更新
されておらず、マスコミから消えてしまった。何かあったのだろうかと思って
いたところ、『新潮45』の特集の中で、ーウェブ2・0」はどこへ消えた?ー 
というテーマで、古市憲寿という若い学者の手記があった。 それによると、
ネットの未来に明るい側面をうたい上げた梅田が、ネット上で衆愚?に総攻撃
を受け、嫌気をさしたのが消えた理由。考えてみれば、衆愚はネット社会だけ
でなく、社会の大部分を占めている現実がある。 知的側面でも中流対下流の
対比、65%対35%が、10%対90%に下流が激増したようだ。その彼らを尊重する
のが民主主義というから始末が悪い。 ネットは気違い(衆愚)に刃物でしか
ないのか? という問いかけである。 〜その辺りを抜粋〜
≪(p48) 10年ほど前、「ウェブ2。0」という言葉が流行したことがある。
 多くの人が情報の受け手に過ぎなかった「ウェブー1・0」時代が終わり、
「みんな」が情報発信者になれる時代が訪れた、という騒がれ方をしていた。
プログやmixiといったソーシャルネットワークがブームになり、ウィキペディア
などの集合知が注目を集あていた時代のこと。2006年にベストセラーになった
梅田望夫の『ウェブ進化論』によると、ネット上のコンテンツは玉石混合という。
しかしそれを集合愚と断じてしまうのは早計である。 これから一般人が表現を
するハードルはどんどん下がっていく。すると母集団が増え、良いコンテンツの
割合も自然と上がっていく。さらに個人の趣味に合わせ情報を提供するシステム
が高度化していくだろう。要はテクノロジーの力によって、理想的な総表現社会
が実現されていく夢を梅田は語っていた。確かに有象無象のネットユーザー
の「表現」と、テクノロジーの組み合わせが、人々の役に立つことがある。
 僕が一番参考にしているネット上での集合知は「価格・oom」だ。
専門性が必要とされず、主観が介在する余地が少ない情報を集める時、ネット上
での集合知は威力を発揮する。「価格・com」のミソは価格という、誰が見ても
比較しやすい情報を集約している点にある。価格よりもやや客観性が落ちるが、
使用者による商品レビューも参考になる場合が多い。電化製品を使うのに専門性
なんていらないし、思想信条が評価に大きな影響を及ぼすとは思えない。
専門性ともイデオロギーとも無縁の領域で、ネットの集合知は大いに役に立つ。
だが電化製品よりも個人の趣向や経済状態が反映されやすい食の分野になると、
集合知は少しずつ怪しくなってくる。通常の雑誌では無理だろう詳細な情報や
写真が掲載されている「食ベログ」。だが星の数や食に対する判定になると
当たり外れが多い。さらに難しいのは医療や法律といった高度に専門的な分野。
共に本来は長期間、高等教育機関に通わないと専門家になれない領域。
しかしネット上には自称専門家による怪しい情報が盗れている。 たとえば
「Yahoo!知恵袋」の医療情報などは、本当に玉石混合。「牛乳で免疫力を高める」
とか「めかぶ、を食べると代謝が高まる」とか、あらゆる食品が体にいいことに
なっている。そうか、牛乳やめかぶを食べればいいのかと思ったら、今度は
「牛乳は毒。飲んでいるのは日本人くらい」といった自称専門家説にぶち当たる。≫
▼ みんなが情報発信者になれば社会が豊かになる?と、梅田望夫が明るい
 未来を謳い上げたが、現実はゴミ知識と炎上騒ぎのバカ騒ぎ。当の本人も、
その馬鹿馬鹿しさに、姿を消してしまった。その衆愚の一人が、この私。
飽きもせず、毎日、数時間もかけ、頭の中身をネットに公開している。

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10月11日(日)
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