ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6748,読書日記 〜「魂の」思想史 ―3
逆に、エスキモーとか、南米インディアンは、逃げることで生き延びていった。
弱者には逃げるしかない。この切り口で人類の歴史を鳥瞰してみると面白い!
僻地の人間は、そのためか優しい。 ーその辺りから抜粋ー
《 たけし〕しかし、六万年前に人類がアフリカから移動していって、
世界中に広がったルートを逆に辿る発想は面白いけど、ずいぶん無茶なことを
しましたね(笑)。
関野〕 確かに逆ルートは無理があります。やっぱり人類は逆ルートで移動しない
ことが、やってみると分かります。全部、逆風なんですよ。例えばべーリング
海峡を渡るときに、風速5〜10Mのいい風というのは西から吹く。
僕はアラスカからシベリアに行くわけですから、東風が欲しい。しかし、
東風は風速15M以上になることが多い。
たけし〕どうしてアフリカで生まれた人類が全世界に移動したと
言われているんですか?
関野〕研究者によって意見が違っていて、僕は最初、「あの山を越えたら
何かあるんだろうか」という好奇心、あるいは「あの山を越えたらもっと獲物
がいて、いい暮らしが出来るんじゃないか」という向上心で心で動いていたと
思っていました。もしそういう好奇心とか向上心とか、いわゆる
進取の気性に富んでいたなら、一番遠くまで行った人たちの末裔のはずです。
たけし〕そういうことになります。
関野〕ところが行ってみたら逆でした。南米最先端に行った人は一番弱い人です。
そこでは狩猟生活もできない。ホタテとかカニをとって生活をせざるを得ない。
どうしてそんなところに移住してきたのだろうと考えてみると、弱いから。
例えば、あるところが住みよいとなれば人ロが増えていきますよね。
たけし〕 そうなると誰かがふき飛ばされる人が出てくる。
関野〕ええ、誰が出ていくかが問題になる。強い人出ていきません。
そこで、はじき出された人がフロンテアに行くわけです。滅びてしまう人も
多いと思いますが、そこでバイオニアになれた人が生き残れる。
創意工夫を働かせて適応した人が「住めば都」に変えてしまう。
そこでも人口が増えると、また弾き出される人たらが出てくる。
だから、日本は弱い人の吹だまり。それ以上、東に行けないわけですから。
たけし〕日本人がもともと弱い人間の吹だまりだというのは面白いね。
関野〕それはイギリスも同じですね。もっと西に行けない。ところが、いいか
悪いかけ別にして、日本はアジアを制圧しようとしたし、イギリスは世界を
制覇しようとした。だから、弱いといって、いつまでも弱いわけでない。
弱いから逆にいろんな知恵を使うわけです。元もと人類はその誕生のとき
から、弱いから知恵を使って生きてきた。 》
▼ 強みは、弱者の苦労から湧き出る知恵から生まれる。決して野心を持って
挑んだ訳ではない。弱者の知恵こそ、力になる。弾き出した方はといえば、
変化適応能力が無くなり弱者になっていく。 何処かの国か、地域そのもの。
脱皮できない蛇は死ぬ。
09月06日(金)
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