ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6142,読書日記 〜「続・下流老人」 ー4 問題は、最期10年を如何に?
お金の使い方、金銭感覚は、両親から受け継ぐものの一つかもしれません。
 わたしの父と母は、ほぼ年子で4人の子どもを拵えましたが、ただの一度も
貯金をしませんでした。父はパチンコ屋の釘師で高給取りでしたが、競馬や
ポーカーや将棋などの博打で給料を摩って、家にはお金を入れませんでした。
生活費を稼ぐために母はキャバレーのホステスとして夜の勤めを始めた
のですが、給料日前には困窮を極め、白飯に緑茶や麦茶をぶっかけただけの
お茶漬けやパン屋からタダでもらってきたパンの耳などで食い繋ぎました。
 わたしの父母の両親も貧乏人でした。それこそ親の敵のように父と母が
散財を繰り返していたのは、収入が支出を上回ることに罪悪感のような
ものを抱いているのではないかと思わざるを得ないのです。
 倹約や貯金は、お金持ちの習慣なのではないかという気すらします。
つまり、そういう家庭内の習慣を子孫や社員に文化として伝授したから、
お金持ちになったのではないか、とー。
 父親に刺身の小皿に醤油が残っているのを見餐められて、「自分の使う分を
見越して醤油を出せないような奴はまともな経営者になれん!」と殴られた、
というある大会社の社長の幼少時のエピソードを思い出したりもします・・≫
▼ ネット検索によると、柳美里は「無頼派の系譜の作家」と評されていて、
 小説ネタには、この性分があればこそ。としても、これは、つらい性分。
在日朝鮮人の大陸的気質もあるのか? 三代続いた家族の金銭感覚は、
一般人とは少し違うようだ。病気、事故とか、寝たきりになった時に、
如何するのだろう。他人事ではないか? 事業を立ち上げる度に、
「もし、失敗したら、如何する?」の内語も一緒に立ち上がる。30年、40年
かけてきた万一の備えも、この不安、恐怖から出てきた知恵。一般的にいえば、
「消費社会は、収入の2割増しの欲望を掻き立てる。しかし、日本人は、
2割を預金か、投資にまわす性向がある」。 固定社会の島国の知恵だろう。

01月06日(土)
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