ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6100,閑話小題 〜チョイト哲学、「死」について −2
ここも借家だったが日白台のアパートより高い家賃がとどこおりなく払えた。
四十四歳で京都に家を買つた。西ノ京原町で、西大路御池通りだつた。
どの引越にも、男の問題がからんでいた。京都の家はお金がなく、すべてを
銀行で惜りた。信用貸しの形で銀行が金を貸してくれるほど、私自身が財産
になっていた。その時の保証人になっくれたのが、祇園の女将で、私は二度
しか会ったことのない人だった。五十一歳の時、さすがにタフな私もつくづく
疲れて、その生活を一挙に破壊するには死ぬか出家をするしかないと思いつめ、
出家を選んだ。五十二歳の時、御池の家を売って、足りない分は銀行で
借りて、嵯峨野に寂庵を結んだ。」・・・ 》
▼ 寂聴の人生の粗筋が、それぞれの年齢と財産の網目で垣間見れる。
三谷佐知子のペンネームで、ポルノまがいの小説を書き賞を貰うが、
「子宮作家」とまで呼ばれるようになる。当時の彼女の顔の写真を憶えている
が、手練手管の水商売女という感がした。純粋な反面、それが自分の衝動に
素直であるため、激しい人生になってしまう。それを小説のネタにする。
自作自演の人生を純粋に生き抜いた結果が、死ぬか、出家の選択になる。
そして、あの穏やかな寂聴が、そこにいる。何人、男を潰したのだろう?
潰すというより、食べてきた、が本当だろう。家族からしたら、
『何が寂聴。悟りすまして、よく言うよ!』である。でも人生は激しく活きた
もの勝ち!寂聴名言集で「どんな悲しみや苦しみも必ず歳月が癒してくれます。
そのことを京都では『日にち薬』と呼びます。時間こそが心の傷の妙薬。」
「私の悪口を言った人はみんな死にました。」「子どもは、悪口を言われて
伸びることはありませんよ。悪口は他人が言いますからね、肉親は褒めて
やらなきゃいけない。どこ褒めようかなって探すのが親の努めと思いますね」
これでも林芙美子の激しさと比べれば・・誰も人生、助けてくれないが
「地獄に佛」はいる!
11月25日(土)
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