ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6042,閑話小題 〜 一年・前倒しの解散 ー2
ことへ、社会全体で力を合わせて、ゆっくりと、後戻りすることなくシフトして
ゆくべき時期が来た。そのときに指南力を発揮すべきなのはメディアである。
けれど、メディアはまだ「呪い」の語法を手放すことができずにいる。
この本の中で私は別に目新しい知見を語っているわけではない。皆なが知って
いることをもう一度繰り返し確認しているだけである。呪誼も贈与も人類と
同じだけ古い制度であり、それがどう機能するものかは誰でも知っている。
けれども、多くの人びとはそれは神話や物語の中のことであっで、
私たちの日々の生活には何のかかわりもないと思っている。そうでない。
呪誼は今人びとを苦しめ、分断しているし、贈与は今も人びとを励まし、
結びつけている。呪認の効果を搾制し、贈与を活性化すること。
私が本書を通じて提言しているのは、それだけのことである。 ≫
▼ 西アフリカ横断のバスツアーで、単調な奴隷通りという道をひた走って
いた時、突然、道路の脇道にそれた。そこは、小さな市場になっていて、
5〜6軒の店があった。呪詛の為の小物だけを売っている市場という。
アフリカ地域の多くは、今だに呪詛の習慣があり、その効果が信じられている。
そこで突然、生々しい人間のサガを突きつけれたようだった。昔、アフリカ
の奴隷は、地元の部族が近くの部族を襲い、捕虜にして奴隷商人に売ったもの。
警察力が希弱な土地柄だと、近辺の争いに弱者は黙って呪詛に訴えるしかない。
日本は近代国家とはいえ、断絶の、それも20数年も落ち目の時節にあって、
その鬱憤を誰かを呪うしかない。アフリカの呪詛の小道具が、メディアによる、
誰かへの集団リンチのような槍玉=記事に取って代っただけ。 私たちは、
ますます、周囲の、そして政府の呪詛が強くなる。しかし、それが故に、
国家の舵取りが大きく狂っていることさえ、気づかないとしたら、
命取りになりかねない事態である。
09月28日(木)
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