ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5984,閑話小題 〜最後の講義・4 ー石黒浩
ー元型派の治療態度とはー
元型派は、患者の夢のイメージそのものを何よりも大切にし、イメージと遊ぶ。
古典派の患者の変容や治癒だけを目指すのではなく、患者のイメージにいかに
寄り添えるかを大事にし、夢そのものを色いろな角度から味わい、深めることを
目的とする。 時には、治療者と夢に関連させて共に空想を膨らませたり、
昔みた映画やドラマの話しをしたり、突拍子もない話をする態度である。
それは、あくまで治療者の「癒し」につながる遊びである。それらの対談の中で、
その夢は単に、その人だけのものでなく、人類に普遍的なものだったり、時空を
こえた昔話だったり、神話につながることに気づくことで、孤独が癒される。
このように、イメージに忠実に寄り添い、深めることで、結果的に治療や変容
が生じてくるのであり、変容を起こそうと思ってはいけないのが、元型派の
基本的態度である。 > (『ユング心理学』福島哲夫著ーP・200)
▼ 患者の夢について、色いろな角度から深く語りあううちに、患者の悩みが
特殊なものでなく普遍的なものと気づくことから孤独感が薄らいでいく。
何ごとも肯定的に受けとめることが重要になる。〔イメージそのものを大切にする
元型派は、この神話の各登場人物やアイテムが「生き生きしていることが大切」〕
とあるが、考えさせられる。そのイメージと遊ぶように接すれば生き生きして
くるはず。神話は民族の元型である。その登場人物はキラキラ輝いていなければ!
08月03日(木)
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