ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5648,「家、ついて行ってイイですか?」 ー②
「私」は、過去と現在との関係において登場してくるのだから、現在の世界を
隈なく探しても見いだせないのは当然。過去自体はすでに消えている。
過去の記憶だけが残っている。現在の知覚される世界ではなく、過去の想起
される世界を探究することによってはじめて「私」は身を現わす。
ここにきわめて重要なことは、過去のあの時に私が不在であっても「私」の
同一性は保たれるということだ。夢の場合で考えてみよう。夢を見ているあいだ
「私」は自覚されていない。「私」は、夢から覚め「私は夢を見た」と過去形で
語る時にはじめて自覚される。まさにその時、あれが「私の」夢であったことが
忽然と了解され、遡ってあの時「私が」夢を見ていたことになるのである。
夢ばかりではない。この構造は広く普遍化できる。「私」は仕事に没頭して
いる時や、夢中でボールを追いかけている時や、ぼんやりもの思いに耽って
いる時など、いわば消えている。しかし、あとから「私は〜していた」と語れる
限り、その時「私」は存在していたことになるのだ。夢中で小説を読んでいた。
ふと気がつくとあたりが薄暗く、電気をつけてみるともう三時間も経っている。
私は小説の内容を細部に至るまでありありと覚えている。
一体誰が読んでいたのか?ほかならぬこの「私」である。
ーーー
夢を例にした説明が、理解しやすい。夢見ているうちは「私」は成立してない。
じゃあ、夢の中で私は何々、云々といっているのは何だろうか?ただ夢の中で
過去のことを考えただけで何の問題は無いか!まだ夢の中で成立してない純粋
何とかいう未成立の?が、夢の中で成立した「私」として過去からの流れの
何かを考えていた! ということになる、ただそれだけだ。 
そういえば、また夜半にリアルな夢をみた  

09月01日(木)
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