ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5569,ピーターの法則 ー①
・第一に、巨大な富を集中し繁栄を謳歌したローマ市民は、次第にその欲望を
肥大化させ、労働を忘れて消費と娯楽レジャーに明け暮れるようになり、節度
を失って放縦と堕落への衰弱の道を歩み始めた。それはまさに繁栄の代償、
豊かさの代償とでも呼ぶべきものであった。
・第二に、ローマ帝国各地から繁栄を求めて流入する人口によってローマ市の
人口は適正規模を越えて膨張に膨張を続け、遂にあの強固な結束をもつ小さく
まとまった市民団のコミュニティを崩壊させてしまった。
・第三に、これらローマ市民の一部は一世紀以上にわたるポエニ戦争その他の
理由で土地を失い経済的に没落し、事実上無産者と化して、市民権の名に
おいて救済と保障を、つまり「シビル・ミニマム」を要求するようになった。
よく知られる「パンとサーカス」の要求。無料の「パン」が保障されると、
退屈しのぎのためにマス・レジャー対策が必要となる。ここに「サーカス」
が登場することになる。
・第四に、市民大衆が際限なく無償の「パンとサーカス」を要求し続けるとき、
経済はインフレからスタグフレーションへと進んでいくほかはない。
過去の諸文明が、その挫折と解体の過程でいずれもインフレに悩まされて
いるのは誠に興味深い歴史的事実である。
・第五に、文明の没落過程では必ずといってよいほどエゴの氾濫と悪平等主義
の流行が起こる。こうして民主主義はその活力を失って、一方で放縦に走り、
無秩序と解体をもたらし、他方で悪平等主義に走って画一化と全体主義の
泥沼のなかに腐敗していく。” ≫
▼ 現代の戦争は経済戦争。ソ連・東欧は経済戦争でアメリカと西欧に負け、
勝者の欧米も、その奢りで自壊しつつある。「日本の自殺」が書かれた時は、
既に崩壊に入っていたのである。それを冷静に歴史の中で予知し、予言として
警告していたのだ。その結果が現時点である。市民権の名において救済と
保証を第一優先にしている日本とギリシャ、救いようがないというしかない。
06月14日(火)
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