ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5532,若者よ、外に出よ! ー⑪ 天空のショー
あくまでも欲した。また一度きめたことはけっして論議しなかった。
◎ ー彼女は偶然にまかせ、そのときどきの快楽のために行動してきた。
しかしどんな行動に身を委ねる場合でも、断乎として行なった。あとで冷静に
返っても、けっして自分を非難しなかった。まして後悔しなかった。自己に
たいする忠誠とはかくのごときものであるかと若い日に讃嘆させられて以来、
これらの言葉はそのときどきにつねにある内耳器官のごときものとなって、
ぼくを導いてきた小説の主人公ではないか、とバカにしてはいけない。 ≫
▼ 小林秀雄に「無私の精神」という文章がある。実践家は、自我を押し通す人
と思いがちだが、実は無私の人である。彼は無私に徹しなければ物事は成就
しないことを知っている。極限に立ってきた人は後悔などしない。そこで自分を
押し殺し、己を抑えるほど物事は大きく成就してきたことを知っているからだ。
後悔は、実践の中では後々、害になることもである。
05月08日(日)
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