ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5533,若者よ、外に出よ! ー⑫ 19世紀の芸術に触れろ〜A
『人生の教科書』なかにし礼著
* 19世紀の芸術に触れろ!〜A
長年の読書の対象がノンフェクションが中心のため、古典小説は、あまり
読んでなかった。特に欧州の古典的名著は数少ない。数年前から読もうと思って
はいたが、これを機会に19世紀に書かれた名著を中心に読むことにした。
改めて19世紀の芸術をみると、音楽、小説、画家などに卓越した芸術家が
そろっている。近代から現代への節目のためだろう。19世紀の切口で、芸術群
をみる視点を今になって知るとは、恥ずかしい限り。日本では明治維新があり、
多くの維新の獅子が現れていた。 <死ぬまで勉強>とは、こういうこと。
あまりに固い馬鹿の壁に取囲まれていた。それでも、学生時代に基礎教養の
絶対的値が少ないことに気づき、半世紀以上、学び続けて、このあり様。
〜その辺りを抜粋〜
≪ ★ 『カラマーゾフの兄弟』を読め
・ドストエフスキーの傑作『カラマーゾフの兄弟』を読んだことがあるか?
未読の人には声を大にして言いたい。「とにかく今すぐに読み始めろ!」
「そうすれば人生が開けるから」と。・・・(略)
言わずと知れた世界文学史上に燦然と輝く大作家、ドストエフスキー。
彼は帝政ロシア時代の革新派で、逮捕されて死刑宣告を受けたあと、シベリアへ
流刑となった。結局獄中で殺されることはなかったが、銃殺刑寸前まで追いつめ
られたこともあるという。そんな彼の処刑を前にした心の動きというのはもの
凄いものがあって、思想を、神を、人生の矛盾を、愛を、世界のことを考え
抜いた大作家の知見がつまった本を2週間かけて読むと、ドストエフスキーが
一生かけて学んだ膨大な知識と、喜怒哀楽など、彼の人生の追体験ができること
になる。そうすれば、今自分が悩んでいることがいかに小さいか、人生とは
なんと深いものかということが理解できる。
ドストエフスキーに限らず、本を読むなら19世紀の作品をおすすめする。
なぜ19世紀の本を読むべきかというと、現代の本はそのどれもが真の価値が
定まっていないからだ。どんなにベストセラーになっていても、それはつい
最近書かれたものであり、真の価値はわからない。人々がただそのブームの
中にいるだけにすぎない。しかし、19世紀の芸術には100年経ってもなお人類の
宝として珍重されている作品、時の試練を乗り越えた名作がある。
・読書はまさに人生の勉強であり、作家という人間の勉強でもある。
一人で自己鍛錬をするには読書しか方法がない映画を見てもダメ。
映画は「観るものであり」放っておいても勝手に終わる、いわば受動的なもの。
逆に読書は能動的なものである。自分から積極的に本の中に入っていく努力が
強いられるため、大変な意思力がいる。映画や音楽や絵画も人生を豊かにして
くれるものではあるが、それよりもまず読書である。
いろいろなことが読書することからスタートする。
ちょっと噛み付いても歯が立たないような、咀囎しても胃にもたれるような、
消化しきれないようなものに挑戦し、乗り越えたという経験が成長するための
起爆剤になる。それをせずに花開くということはあり得ない。大作を読むことは
人生の通過儀礼なのだ。
物を読んで何かを理解する、そういった根本的なものが育っていないまま、
人生をスタートさせてはならない。そして読み終わって本を閉じたときの快感。
これは悦惚だから味わったほうがいい。≫
▼ 10年位前に読もうと一度、思いたったが読まずしまい。残された人生の
課題は、19世紀芸術に触れて人生を見直すことなのか。図書館から借りて
読むのではなく、自前で買って読む習慣のなさの甘さの結果が、こうさせた?
米国の統計だが、社会に出てから読書を続ける人の比率が10%という。
思いの外、少ないのは生活におわれて読書習慣が持てないため。で、リタイア後
の有余る時間に読書をしようとしても、受動的生活の習性が、それを許さない。
仕方がないので、昔の名作映画シリーズをDVDで観ることで良しとしようと
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05月09日(月)
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