ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[383114hit]
■5368,世間、社会、会社の意味とは ー③
これは、1973年に米国の心理学者のデービッド・ローゼンハン博士が
友人7人を募り、8人で12の病院に「幻聴が聞こえる」と訴える偽(
患者を装って診察を受けに行ったところ、診察にあたった医者がそれを詐病と
見抜けず、全員入院させられて、薬物治療を受けることになったというもの。
この実験は、医学界から大変な反論と反響がありました。ある病院は、偽患者
はかならず見分けられると主張し、ローゼンハンに、好きなだけ偽患者を
よこせと勝負を挑みました。 じつはこのときも、ローゼンハンの完勝でした。
なぜなら、この病院は、3カ月間で診察した193人の患者のうち、
41人が偽患者だと見抜いたと発表しましたが、なんとローゼンハンは
この病院に一人も偽患者を送りこんでなかった。もちろん、当時と現在では、
精神疾患に対する診断基準が違うため、いま、偽患者を装って受診しても
即入院とはならないでしょう。しかし、経験則に重きをおく医学では、医者が、
短時間で患者の訴えの虚実を見分けることは大変、難しく、なんらかの病気の
診断を下そうとしてしまいがちだというのです。現代で、同じような偽患者に
よる追試を行うと、入院こそさせられませんが、念のため、ということで薬が
処方されることがあるでしょう。これも、医者が、患者の期待に、なんとか
応えようとするためです。この実験の教訓は、専門家たる医者の立場から
みると、先入観にとらわれてはいけない、ということです。さらに、患者が
嘘をつく可能性を念頭に置き、物事を熟知していると自負するあまり、ある
パターンに押しこめて理解しようとしていないか、常にチェックすることです。
また、患者の立場からみると、こちらからの情報が正確に伝わらないと、
誤診を犯す可能性があるということを理解しておくべきでしょう。
しかし、この実験から、「専門家はあてにならない」と即断すべきではない
と思います。専門家も間違える可能性を念頭に置きながら、互いに信頼関係を
築き、ベストな情報を交換し合うことが必要でしょう。
(勝間和代ー経済評論家)ー2010年11月22日 】
ー 医者も間違えることをことを患者サイドは、常に意識しておかなければ
ならない。要は、医者も能力の差があり、正確な診断を下せるとは限らない。
それが精神疾患となれば、尚更である。これは、医者だけでない。
社会一般にも言えること。専門家と称する人が言うことが、常に正しいとは
言えないということだ。引退近い力士が、負けが込むと医師から色いろな
病気の診断書の墨付きをもらい休場する。見ているほうからすれば、力の衰え
からくる実力で負けが込んだのは一目瞭然。医者も阿吽の呼吸で診断書を書く。
考えてみれば、人間の認識ってのは、全てが先入観でしかないのでは?
11月25日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る