ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5259,閑話小題 〜インサイドヘット(シネマ感想)
死によってもたらされる」 ヤスパースにとっては、人間は言葉をもち思考する
生物であり、行為によって国家(都市国家)を法律のもとに共同体としてつくった
生物であり、道具を製作し仕事をし、経済によって生計を営む生物なのであるが
決定的なことはそういう事柄にはない。人間の本質は運動の中にあるという。
人間は現状のままにとどまってはいられず、他の動物のように平穏無事に世代
から世代へと同じことを繰り返す存在ではない。人間は、袋小路、退化、転倒を
繰り返し、自己疎外に陥ることすらある……。・・ ヤスパースは、このような
意味で「すべての人は、われわれのようなものである」と言いました。そして、
人間が、やがてどこかで、いつの日か、限界状況にあるのを知ったときに、
人間はこれまでと違うことを始める。知識欲や、航海の冒険、とどめがたい
好奇心等々いろいろありますが、それは勇気を伴なう。この勇気こそが限界状況
でも人間に自由への希望を与え、勇敢に終局へと向かわせるもの、とヤスパース
は考えた。人間が何であり得るかは、やはり彼の自由の希求の中に秘められて
います。人間が生きていく限り、絶えず努力して獲得しなければならないのは、
人間として品位であり、人間が人間であるのは、その品位をまた他人の中にも
認めること、それが、「すべての人は、われわれのようなものである」という
ヤスパースの言葉の内実(内なる事実)でもありました。】
《人間が生きていく限り、絶えず努力して獲得しなければならないのは、
人間として品位であり、人間が人間であるのは、その品位をまた他人の中にも
認めること、それが、「すべての人は、われわれのようなものである」》は、
究極の真理。そうありたいが、そうはいかないのが人間様である。人間として
の品位のないのが、人の中にあるわけのない品位を求めてしまうから、ことが
拗れてしまう。勇気こそが限界状況の中で自由への希望を与える、
というのも道理。老いは勇気の喪失からくる。
08月08日(土)
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