ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6751,閑話小題 〜yahooブログから引っ越し
おいそれとは自分の世界を描き変えられない。 こうして我々は、すぐ隣で
肩を並ぺている人とまったく違う風景を見ながら同じ体験を共有している気分
になっているのだ。そして、同じ風景や体験に一緒に感動しては、相手と心が
繋がったように錯覚している。本当は、それぞれが全然別の物語を生きている
というのに。ああ、諸君。このようなことを私はずっと以前から了解していた
はずだし、他人が感じていることと自分が感じていることは違うのだと己に
言い聞かせ、それを思い知らされるようなことが起きても動じない心づもりで
あった。 『が、実際には、私は何もわかっていなかったのである。』
その証拠に今回、自分を理解してくれていると思っていた人々がまったく
理解もしていなければ信頼もしていなかったこと、私と仲良くしてくれている
と思っていた人が私を蛇蜴のごとく嫌っていて陰でその心情を吐露しまくって
いたことを知って、心の底から驚いてしまった。こんなのは世の中によくある
ことなのだろうが、少なくとも私にとっては近年まれに見る出来事であった。
何故なら「周囲の人々」は心にもないお世辞や表面的な社交辞令などを言わず、
むしろ毒舌と呼ばれながらも本当に思ったことしか口にしない人々であり、
しかも言いたいことは相手に面と向かって告げる人が多いので、今回私を
驚かせた人々がずっとやっていたような口先だけのコミュニケーション作法
をすっかり忘れていたのだった。 だが、諸君、私は問いたい。
言葉が自分の想いや考えを伝えるものでなく、適当に相手をごまかすための
ものならば、我々は他人の言葉の何を信じればいいのか。そして、そのような
口先コミュニケーションが世間一般の常識なのだとしたら、「誠実さ」とは
いったい何か。そんなものは幻想なのか。少なくとも私は心にもない言葉は
絶対に言わないように心がけてきたし、たとえ相手にとって耳触りが悪くても
伝えるべきことはきちんと伝えてきたつもりである。それが「誠実さ」だと
私は思っていた。だが彼ら彼女らはそんな私を「幼稚」で「無神経」な人間
と思っていたようだ。 まあ、確かに「無神経」なのは認めよう。こんなにも
人の気持ちがわかってなかった私が繊細な感受性など持ち合わせているとは
思えない。しかし、それなら彼ら彼女らは、人の気持ちがわかっているのか。
少なくとも彼らは私が本気で語ってきた言葉を一切理解してなかったし
信用してもいなかった。私がどれだけ本気かわかっていなかったのだ。
彼らは私のことも自分たちと同様の口先人間だと思っていたのだろうか。
ならば、彼らはまったく私という他者を理解していなかったことになる。
そんな人たちに「人の気持ちがわかる」はずがないではないか。
彼らは私などより遥かに「空気の読める」人々である。だが、空気が読める
からといって、人の気持ちがわかっているわけではなさそうだ。(略)・・
・・ 私にとっては無意味な人間関係だが、それで彼らの世界が回っている
のなら、それでよかろう。永遠に空気なるものを読みながら、中身のない
価値なき言葉を吐き続ければいいのである。それが君たちの入生だ。
そして、そんな君たちの人生や処世術に、私は何の関心も持てない。
念のために言っておくが、私は彼らの人生に価値がないと言っているのでない。
彼らの人生には彼らなの価値がある。ただ、その人生においては、言葉に
価値が与えられてないだけ。彼らは言霊のない世界に住んでいて、そこでは
空っぽの言葉が行き来している。が、おそらく言葉ではなく別のものに
価値があるんだろうから、それはそれで、いいんじゃないかと思う。≫
▼ 死の間際から生き返り、改めて身辺を見たときの澄みきった感覚は、
4年前の経験や、過っての色いろ味わってきた。 「うさぎちゃん」が
怒っているのも、彼女の、それまでの脇の甘さからくるもの。世の人は、
大体が、この程度のものと達観すれば、そこに慈愛が湧き出てくる。
それだけ、世人は口先人間が、目先で、口先で、空っぽのことで騒いで
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09月09日(月)
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