ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5619,閑話小題 〜日本五大花火大会について
 対して、『元型派』は変容や自己実現はフィクション・幻想であるとする。
そして常に変容を目指すという古典派の態度そのものが、かえって人間を
傷つけるとして、変容や統合を目指さないでひたすら「イメージそのものを
大切にする」という態度をとる。それはたとえば「オルフェウス」の神話の
解釈に表れている。{ギリシャ神話の音楽と詩の神オルフェウスは、蛇にかまれて
死んだ妻を地下の世界、つまり黄泉の国に行き、連れ帰る途中に、決して後ろを
振り向いてはいけない約束を破ってしまったため、妻は洞窟の奥に吸い込まれて
消えてしまった。そして、彼の使っていた竪琴だけが天に昇って琴座の星座に
なってしまう。その後、オルフェウスは放浪の旅先で殺されてしまう。}
 この神話は古典派的視点から見れば、女性像=アニマを獲得しそこなって
男性性を確立しそこなった失敗例として扱われる。しかし、イメージそのものを
大切にする元型派は、この神話の各登場人物やアイテムが「生き生きしている
ことが大切」である。 竪琴が星座になってキラキラしているのであれば、
自己実現しているのだと理解できる。患者が統合や発達の失敗、男性性や
女性性の確立の失敗などの夢を見ても、失敗例と見ない。その夢の中の
イメージや登場人物・アイテムについて、じっくり 話し合い、そのイメージ
と遊ぶように接していくのが元型派の特徴である。
  ー元型派の治療態度とはー
 元型派は、患者の夢のイメージそのものを何よりも大切にし、イメージと遊ぶ。
古典派の患者の変容や治癒だけを目指すのではなく、患者のイメージにいかに
寄り添えるかを大事にし、夢そのものを色いろな角度から味わい、深めることを
目的とする。 時には、治療者と夢に関連させて共に空想を膨らませたり、
昔みた映画やドラマの話しをしたり、突拍子もない話をする態度である。
それは、あくまで治療者の「癒し」につながる遊びである。それらの対談の中で、
その夢は単に、その人だけのものでなく、人類に普遍的なものだったり、時空を
こえた昔話だったり、神話につながることに気づくことで、孤独が癒される。
 このように、イメージに忠実に寄り添い、深めることで、結果的に治療や変容
が生じてくるのであり、変容を起こそうと思ってはいけないのが、元型派の
基本的態度である。 >     (『ユング心理学』福島哲夫著ーP・200)
▼ 患者の夢について、色いろな角度から深く語りあううちに、患者の悩みが
 特殊なものでなく普遍的なものと気づくことから孤独感が薄らいでいく。
何ごとも肯定的に受けとめることが重要になる。〔イメージそのものを大切にする
元型派は、この神話の各登場人物やアイテムが「生き生きしていることが大切」〕
とあるが、考えさせられる。そのイメージと遊ぶように接すれば生き生きして
くるはず。神話は民族の元型である。その登場人物はキラキラ輝いていなければ!

・・・・・
3417, 64歳の現時点で、感じること!
2010年08月03日(火)
 最近、首相や、県知事、市長などをみていると、「何、これは!」と、
心の底から思うようになった。青年期にみた老人の捩れた言葉?が何だった
のか分かりかけてきた。当時は、「自分が、何も出来ないのに他人に対し
何故に背後から刺す言葉しか吐けないのか?」と、嫌悪感を持ったもの! 
特に一生を無為に過ごしてきた人ほど、強くなる。ベルクソンが
「人生の歩みを進めれば進めるほど、私はわれわれがあまりに貧しいもので
あるのに気づく。偉人と呼ばれる人と、他の人々との間にはほとんど差はない。
特にいわれもなく与えられたものと、その時々の状況、あるいは人生の運と
いうものを除外するなら、差は少しもない」という言葉に深く納得する。
特に情報化がリアルに表出させる。ところで、ベルクソンは「時間と自由意志」
でアリストテレス以来の時間論に対して、画期的な反対論で一気に名前を高めた。 
ベルクソンはまず、人間の意識によって時間を考えなおそうとした。
普段、我われが考えている時間とは、現在の一点を中心に過去へ未来へと空間化

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08月03日(水)
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