ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5604,閑話小題 〜これは既に戦争
講演の最後に、漱石はこう言いきっている。
《 ただもう一「つ御注意までに申し上げて置きたいのは、国家的道徳という
ものは個人的道徳に比べると、ずっと段の低いもののように見える事です。
元来国と国とは辞令はいくらやかましくっても、徳義心はそんなにありゃ
しません。詐欺をやる、誤魔化しをやる。ペテンに掛ける、滅茶苦茶なもので
あります。だから国家を標準とする以上、国家を一団と見る以上、よほど低級
な道徳に甘んじて平気でいなければならないのに、個人主義の基礎から
考えると、それが大変高くなって来るのですから考えなければなりません。》≫
▼ 漱石は「自己本位」という金鉱を見つけたことで、その後の進むべき道を
見い出した。聴衆に対して「もしどこかにコダワリがあるなら、何かを掘り
当てるまで突き進むと、各人各様にもって生まれた個性がそこにぶつかり、
初めて腰がすわる。そこに腰を落ち着けて前進していくと、個性に磨きが
かかり、発展し、幸福感と安心がもたらされる」と、説く。このことは定年
退職者にも、同じく当てはめることが出来る。若さを失う要素の一つは周囲に
流されやすくなり、他人本位になることがある。まだ江戸時代の滅私奉公の
気持ちが抜けきらない時代に、「自己本位」を言ってのけたのだから、驚いて
しまう。単一民族で、島国では、互いを大事にするあまり他人を意識過ぎて、
自分を確立する機会が減ってしまう。特に勤め人は孤立に弱い。
・・・・・・・
3767,閑話小題
2011年07月19日(火)
* 女子ワールドカップ・サッカーで日本が優勝
テレビで話題を盛り上げるため、日本が優勝すると笑いながら言っていた
解説者はいたが、殆どの人は、「日本が優勝するなど有得ない」と思っていた。
ところが昨日、一般の予測に反し日本女子が優勝をしてしまった。
ドイツに買ったのだから、日本がアメリカに勝っても不思議ではないが、24戦
して22敗、二引き分けの相手である。もし勝つなら「何とか引き分けに持ち
込んで、PK戦で勝ちを拾うしかない」と、思っていたのが、正夢になった。
結果的には大震災と原発事故で瀕死の状態の日本に米国が勝ちをプレゼントした
ことになる。 米国の一方的な攻撃の中で、耐え抜いてPK戦に持ち込んで勝利
したのだから、恐れ入る。 その中で、神憑り的な幸運が試合の随所でみられた。
明らかに弱者である日本は、一方的な攻撃に耐え抜く弱者の戦法が、最後に幸運を
引きよせた結果を生んだ。最悪の事態の時に、最悪の出来事を呼び寄せることを
「布置」と、先日、ここで書いたが、逆に、この時期に有得ない幸運?を
引き寄せることも「布置」というのだろうか?
* メタボの雀、再会
昨日の朝、女子サッカーを見た後、何時もの信濃川の川辺のサイクリング・
コースのベンチで、ストレッチをしていると、前に書いたことがあったメタボの
雀が、何時もの通り、50センチ位のところまでやってきた。このところ
見かけなかったので、餌が無かったが、ポケットに手を入れ撒いたふりをすると、
そのあたりを必死に餌を探している。 信濃川の雀、その後、何気なく自転車に
乗りながら観察しているが、餌が豊富なのだろう、全体にメタボ気味のようだ。
* そろそろ、軽い鬱になりそうな
三月末を区切りに、自宅に中心の生活に変わり100日余りになる。
だんだん慣れてはきたが、そろそろ軽い鬱がきそうか。早朝、この随想日記の
仕上げと、電動アシストのチャリで信濃川土手のサイクリング、そしてスポーツ
センターと、午前中は過し、午後は流しに入る。映画館、SC、図書館に行ったり、
読書をしたりで、時間がたっていく。しかし、今度は余裕が出来てくると、
周囲の人の視線が見えてくる。 事が事だけに獄門打ち首のサラシの身の上か、
1〜2年は蟄居閉門である。本人には、そんな意識は少ないが、あの視線は、
やはり、そういうことか?という感がする。 元もとアウトサイダーを基本と
してきたので、「その辺の輩」への逆視線はある。 私も人間、環境の動物。
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07月19日(火)
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