ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5542,閑話小題 〜夢にみる深い闇
問題提起の下、それぞれの哲学者に成り代わって現代の読者との対話を試みる。
しかし本書は哲学者を高みの存在には置かない。また、昨今の入門書のように
デフォルメもしない。あくまでも彼らがそれぞれの時代を生きた一人の人間であり、
一人の生活者であったことに軸足を置いている。このニュートラルな哲学者の位置
づけによって、それぞれの哲学者に瑞々しい生命力が与えられ、彼ら哲学者と
現代に生きる我々との問題意識が決して隔てられたものではないという親近感を
得るのに役立っている。
ーはじめにー の冒頭が、この著書の特徴と狙いを書いているー
【 あなたには、自分らしくありたい、人に認められたい、自分のことを
分かってほしい、世の中で成功したい、幸せになりたい、金持ちになりたい、
モテたい、死にたくない、もっと真っ当に生きたい、といった積極的な意欲が
あることだろう。もしくは、とにかくモヤモヤしている、何もかもが信じられない、
人づきあいが面倒、生きるのがつらい、何もしたくない、誰かなんとかして、
といったような、消極的な感情もあるかもしれない。過去の哲学者たちがもし、
今、ここにいて、21世紀に生きる私たちの、そういった悩みや葛藤を聞いたなら、
はたしてどうなるのか。どのように聞きとり、どのようなことを語ろうとするのか。
「街の意見」をぶつけられた哲学者が応えるようなスタイルで本書は書かれている。
本書は、あなたに「哲学する」ことを勧める。 ここで言う「哲学する」とは、
生きてゆくうえでの「思考の力を磨くこと」である。既存の哲学を単に解釈したり
理解することではない。日常的に哲学的な問いかけを行い、生きることに役立てる
こと、つまり哲学を使って「自分」をつくるということである。】
▼ 我々にとっての疑問、悩みを歴史上の哲学者が答える形式は分かりやすい。
我々が日常で悩んでいることや考えていることは、全て過去の哲学者が考えて
きた一部の悩みでしかない。19人は哲学者の中でも選りすぐりの人たち。
彼らのいっている真理は現在でも、そのまま通じること。最近、気づいたことは、
私の人生はニーチェに大きく影響されていたようだ。この生活者としての生の
内面の疑問に19名が答える形式は哲学を身近に引き寄せる。
残されて人生、とにかく考え続けるしかない。
・・・・・・・
3705, ジャズについて −4
2011年05月18日(水)
ー 「音楽の本」三枝成彰著 より
1920年代に「ビッグ・バンド・スタイル(4人位のバンド編成が、
15人を超える大編成)」が受けるようになった。その巨人が、あの
デューク・エリントン。ジャズの世界を知れば知るほど、面白い。
* ビッグ・バンド・スタイルの流行
【 ジャズの中心がその生誕地ニューオリンズからシカゴに移っていた
二〇〜三〇年代、ニューヨークやカンザス.シティでは、大編成による
ビッグ・バンド・スタイルのジャズが流行した。トランペット奏者、サックス
奏者、トロンボーン奏者がそれぞれ四人程度、それにピアノ、べース、ドラム、
ギター奏者が一人ずつの編成し、クラシックの楽団には比べるべくもないが、
それでも、一五人を超えるメンバーからなるビッグ・バンドはニュー・
ーオリンズ・ジャズの編成(一般的にはコルネットット、トロンボーン、
バンジョー、ピアノ、ベース、ドラム各一人)に比べればはるかに大規模
だったし、現在でもトリオ(ピアノ、べース、ドラム各一が基本)か、カルテット
(ピアノ、べース、ドラム各一にトランペットかサックスが加わる)がジャズ演奏
の主流であることを考えれば、大編成と呼んでもいいだろう。
そのビッグ・バンド・スタイルを確立させたのは、フレッチャー・ヘンダーソン
(一八九七〜一九五二)。しかし、ニューヨークの黒人居住区であるハーレムの
ポールルーム(ダンスホール)やクラブを拠点に活躍したビッグ・バンドの巨人
といえぱ、デューク・エリントン(一八九九〜「九七四)をおいていない。
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05月18日(水)
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