ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5283,「読書の腕前」〜 「歩く」ことは「読書」に似ている
人たちが瞬時に繋がる流れが加速し、それが一部の特権階級の富、 情報、権力の
独占を破壊することになるからだ。未来学者が、現在の事態は自分たちの予測を
遥かに超えていると述べていた。こと知識、情報、娯楽面で充分に恩恵を
受けている実感がする。
・・・・・・
4176, グローバル化の真実
2012年09月01日(土)
『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』水野和夫(著)
  なかなか面白い本である。ーアマゾンの書評をコピーしてみたー
≪「自由とはドルとエネルギーの消費である」と言われたアメリカが覇権国
 である時代はもう終わった。しかるにアメリカはグローバリゼイションと
いう名の〈米による世界経済征服計画)方策で、その命を永らえさせている。
(そこには様々なきしみとともに大きな亀裂も生じる)成長を至上命題とする
近代資本主義は限界に来ている。今行われようとしている景気回復は誰のための
景気回復か立ち止まって考える必要がある。それはいわゆる株主〈言い換えれば
上位1%の富裕層)のための景気回復ではないのか。働くものを幸福にはしない。
このままでは景気は回復しても労働者の賃金は下落する。
(一億総中流というほんの少しの間の日本のキラメキは戻ってこない)
アメリカは金融化で世界経済を支配しようとしている。しかしそれがうまく
いかないことはもう証明されている。≫
≪ 水野氏の議論の核心は昨今の世界経済危機が、16世紀以降近代資本主義
 の構造を前提に反復された景気循環の一環ではなく、こうした構造自体の終焉
を示すより根源的事態であるという視点に他ならない。これに匹敵する歴史の
根源的危機として水野氏が参照するのが、中世封建制経済から近世資本主義経済
への過渡期に当たる16世紀である。16世紀と21世紀は、氏によれば、
数々の点で相似的関係に立つ時代である。 こうした相似性は
1.それぞれの構造において経済が極限を迎えてしまった結果、投資効率が
 極端に落ち類を見ない低金利に陥ってしまったこと、
2.こうした危機的状況の打開のため前者においては「陸から海へ」、
 後者においては「海から陸へ」という世界軸の大転換が生じたこと、
3.かかる転換の途上で前者においては地理的空間の拡張、後者においては
 仮想的空間の拡張とそれに伴う超法規的収奪が、それぞれスペイン/
 アメリカという旧体制維持の世界帝国建設のため実行されること、
4.こうした世界帝国はその反動制故に解体を余儀なくされ、その残骸の上に
 新世界が現出されること等々に確認されるという。21世紀における
 '1.から'3.への過程は天然資源の希少化に由来する大量生産/大量消費型
 経済モデルの失速とそれに代わる情報・金融革命に基づく仮想空間への
 資本主義の突出により可能となるが、帝国を支えるかかる空間上の高収益は
 人件費の流動化、即ち〈搾取〉により初めて実現する。だがこのことこそ、
 近代という時代を構成した資本主義と民主主義の幸福なる結婚という神話の
 おわりを明らかにする。
「ルールを破ることを許される者と、それが許されない者との徹底的不平等」に
 基づく新自由主義を通じ国家は、前者の後者に対する「搾取」を「規制緩和」
 を通じ実現する手段に過ぎなくなった。「労働は、資本にすり寄った国家に
 裏切られたのである」。グローバリゼーションの本質を、16世紀に起きた
 同質の変化と 対比させることによって明らかにしようとする。≫
▼ ここで著者は、「グローバル化の真実を、「アメリカ金融帝国システムを
 中心と、その周辺を結びつけるイディオロギー」と、看破している。グローバリ
ゼーションの事実とは「ヒト、モノ、カネの国境を越える自由な移動」である。
そして、帝国主義国=アメリカ金融帝国は世界中の従者から「規制緩和」を強要し、
「搾取」をする、これが実態であると。その手始めが1985年のプラザ合意である。
日本は、ここからバブルとバブル崩壊のプロセスを歩み、アメリカに搾取された。
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3811, 閑話小題 ー老いと病について −1

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09月01日(火)
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