ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6759,閑話小題 〜カラスたちと遊ぶ ―2
ができず、その中に埋没して生きている人たちにとっては、共同幻想ではなく、
それは真理であり、人間とはそのようなものだという定義であり、そのために
生きているという価値であり、すべてなのです。神しかり、宗教しかり、
愛しかりです。たとえ宗教に関わる者であっても、突き抜けた人は、その意味
(共同幻想)をきちんと理解しています。そういうレベルの人とは議論できるし、
互いの意図を理解し合うことも可能です。それぞれの分野で突き抜けた人、
それをプロと呼ぶとすると、その人たちには共同幻想ということの意味が
理解できるからです。 人間圏をその外側から見ることができなくても、
共同幻想を、真理だとか、現実だとか、すべての人はそうあらねばならない
とか、その価値の正当性を主張するのは、やめることが必要です。共同幻想
というものは、正しいとか正しくないとか、わかるわからないではなくて、
当人がただそう思い込んで納得しているにすぎないことなのです。
しかし、逆説的ですが私は共同幻想を抱いて生きることが、逆に現在生きて
いる我々の人生を肯定すると思います。≫
▼ 己の人生を否定してでも、共同幻想を見据える視線は失いたくないもの。
リアルな外界を可能な限り見据えて内部モデルを更新し続けることしか、
生きることが出来ないのが人間である。 自分を振り返ると、終戦直後に生れ、
高度経済成長の中バブルの波に乗って流され、その崩壊が右下りのターニング
ポイントだった。そして、おおよそ10年後、2001年の9・11テロ、2008年の9・15
のリーマンショック、2011年の3・11震災を経て、現在に至っている。
20世紀の時代と共に、その共同幻想を疑いもなく信じ、右上りと、右下りと、
その崩壊過程を生きたことになる。21世紀の姿が見え始めたが、
面白そうだが、右上がりの明るい時代ではなさそうだ。
・・・・・・
5664,シネマ評『ウフィツィ美術館』 〜A
2016年09月17日(土)
『ウフィツィ美術館』 09/08・10:40
* ウフィツィ美術館の歴史
映画の内容紹介のHPに、ウフィツィ美術館の歴史が簡潔にまとめてある。
そこには欧州文化の底知れぬ奥行きの広さと深さが垣間見れる。大英博物館、
ルーブル美術館、バチカン美術館などに、あれだけの名画を、国内外の万民に
公開している。ある意味、国力の誇示でもある。 〜HPより〜
≪ 登場する作品の多くが収められているウフィツィ美術館は、ロレンツォの
傍系で、ひ孫にあたるコジモ1世(1519〜1574年)によって建設された行政庁舎
がもとになっている。コジモ1世は、画家・建築家であり、同時代の画家たちを
紹介した著書「芸術家列伝」でも知られるヴァザーリに設計を依頼、1580年に
それまで分散していた役所や裁判所などを一つにまとめた建物を完成させた。
ウフィツィとは英語のオフィスである。このウフィツィでは1581年から建物の
一部で絵画や彫刻などが部分的に公開されており、近代的な美術館としては
ヨーロッパ最古と目されている。1743年、コジモ1世の末裔であり、メディチ家
最後の人間となったアンナ・マリア・ルイーザが死去する。彼女のもとには
メディチ家が300年にわたって蒐集してきた絵画、彫刻、宝石などの美術品が
残された。彼女の遺言により、これらの宝物はトスカーナ政府に寄付される。
1769年、ウフィツィ美術館でメディチ家のコレクションの一般公開が始まった。
以来約250年、今ではイタリアで質・量ともにトップクラスのコレクションを誇り、
世界でも最も多くの人が訪れる美術館となっている。
本作には進行役として、ロレンツォ・デ・メディチ(1449〜1492年)が登場。
名優サイモン・メレルズが演ずる、この人物は何者か。 ロレンツォの祖父は
フィレンツェで「祖国の父」とうたわれたコジモ・イル・ヴェッキオ(1389〜
1464年)。 絶頂期のメディチ銀行を率いて建築家・芸術家を庇護した。
ロレンツォは病弱だった父の死に伴い、わずか20歳でメディチ家の当主となる。
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09月17日(火)
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