ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6086,閑話小題 〜経験価値
死んでいくんだよ。これは辛いぞ。ちゃんと言葉が出てくるんだから、
声が震えたり、顔が赤くなったりするくらい何でもない。顔を真赤にして、
一生懸命しゃべれば、優しい正直者に見える。世渡りに便利なくらいだ。
こうしたコンプレックスは多かれ少なかれ必ず誰にでもある。そして、
人生の勝利者というのはこのコンプレックスを武器に変えられた人間だ。
・アソシエ:シマジさんはどんなふうに武器にしているのですか。
・シマジ:女と食事をするだろ。ずっと口説いて、最後にこう締めくくる。
「お、俺が、きっ、君をどれくらい素敵だと思っているか、も、もっと
もっと君に知ってもらいたい。つづ、伝えたい言葉は頭の中に渦巻いて
いるんだが、そ、それが、し、舌の上で死んでいくんだ。残念でならないよ」
これで何人もの女が落ちた、といっておこうか。
・アソシエ:そこまで行くと武器というより凶器ですね。
・シマジ:インタビュアーとしても、どもることは強みなんだ。俺が
どもりながら話すだろ。そうするとインタビューを受ける側は安心する。
特にインタビュー慣れしていない人は、うまく自分の思いを伝えられる
だろうかという不安を抱えているから、インタビューアーに立て板に水
のごとく話されると圧倒され萎縮してしまう。俺のようにつっかいながら
訊いてくる相手だと、上手に話さなければというプレッシギーから解放
されて、気楽に詰せるようになるらしい。 ≫
▼ 起業をして半年、何か気持ちが落ち込んだ時に、フッと内語で、
「その上段に構えた両手を下げ、力を抜いて、ありのままの自然の自分を
前面に出したら」という声が沸いてきた。それから、良きに、悪きにつけ、
何かが変わった。 色いろあった究極の場面だから、構えの硬さに、
自ら気づいたのだろう。学生時代、どうも会話のセンスが都会育ちの
友人に比べ落ちている自分にコンプレックスを持っていたが、
『それなら、聞き手に回り、誠実に相手の話を引き出せば!』という
趣旨の道理を知り、それに徹してから、何時の間に友人が増えていた。
話す割合を50対50から、20対80にすればよいだけで、人に好かれる。
・・・・・・
4989,暴走する世間 −5
2014年11月11日(火)
「暴走する「世間」―世間のオキテを解析する」佐藤 直樹(著)
* うつ病は「世間」の共同幻想にやられる病!
ここで、次のような精神療法家M.バリントンの指摘を紹介している。
≪・「三人関係の対人状況」(三人状況)といわれているのが、吉本さんの
いう共同幻想であり、
・「二人関係の対人状況」(二人状況)が、対幻想であり、
・「一人状況」が自己幻想である。 各々、
それぞれ、「三人以上の人間がつくりだす観念」
「ペアとなった二人の人間がつくりだす観念」
「一人でいて、じとーとしている時の観念」と考えればよい。
「三人状況」(共同幻想)が、躁鬱病(うつ病を含む)に、
「二人状況」(対幻想)が、統合失調症になっていく。
とすると、「世間」とは、三人以上の人間がいるところに現れる
幻想・観念であるから、うつ病はこの「世間」に関わる病だということになる。
ところで当たり前のことだが、うつ病は全世界的に普及した病だが、
西欧のうつ病は「三人状況」(共同幻想)として「社会」に関わる病であると
すると、日本のうつ病は「世間」に関わる病ということになる。
・・「世間」は個々の具体的な人間のことではないが、抽象的な人間一般でも
なく、上司や同僚や近所の人などといったような「顔のみえる」他者のこと。
うつ病の患者にとって問題となるのは、こうした他者なのである。≫
また、木村敏と阿部謹也との対談で、木村敏の次の言葉を紹介している。
≪ 日本では、西欧社会のように、「判断が神との一対一の関係」で決定されず、
世間は空間的な概念だが、それを時間的にとらえた表現が『御先祖様』であり、
『御先祖様に顔向けができない』ということになる。世間の中には「呪術性」
という原理があり、そこには森羅万象、動物や植物やモノや死者まで含む。≫
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11月11日(土)
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