ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6056,閑話小題 〜恐ろしい身近な現実 −2
割切るしかない。問題は、それに慣れてないこと。 〜その辺りから〜
≪ 結局、何でもほどほどのバランスで食べればいいのだろうが、
ネット上の意見にはとにかく極端なものが多い。深刻に悩んでいる人が多い
からだろうが、癌や妊娠、出産、子育てに関ずる話題にも、トンデモ知識が
溢れている。知り合いの医師も、ネット上での知識を患者が頑なに信じすぎて
いて、「知恵袋ではこう書いてあります」と言って聞かないと愚痴っていた。
結局、ウェブ2・0は実現したのだろうか。少なくとも『ウェブ進化論』を
書いた梅田望夫自身は、その夢をあきらめてしまったようだ。
彼は2008年、自身のプログで水村美苗の『日本語が亡びるとき』を好意的に
紹介したが、それに批判的な意見が殺到した。さらに梅田が役員を務める企業
のサービス「はてなブックマーク」も、彼への批判で溢れた。これに対して
梅田は、「はてぶのコメントには、バカが本当に多すぎる」とツイッターで
発言、大炎上した。さらに2009年にはネットメディアでのインタビューで、
日本語圏のネット空間が「残念」であるとコメント、再び炎上。要は、ネット
で発生してしまう「衆愚」問題に梅田は耐えきれなくなってしまったのだろう。
中川淳一郎が断じるように、インターネットが普及しすぎた結果、
「ウェブはバカと暇人のもの」になってしまったようだ。確かに中川の論じる
ように、ネット上には読解力がなく、ジョークも通じない、「暇人」が多い
ように思う。このーヶ月で3回くらい炎上した僕も、どうしても中川説に賛同
したくなってしまう。しかし、『ウェブ進化論』ではすでに、衆愚の問題に
ついても論じられていた。たとえネットに溢れる情報が玉石混合でもいい。
それを個入に合わせてカスタマイズしてくれる「自動秩序形成システム」に、
梅田は期待をかけていた。実は同じような議論は最近でも続いている。
要は、技術の力でネット空間がよりよいものになるはずという楽観論である。
現在、ネット空間は、PV数(閲覧数)至上主義。だから、とにかくアクセスを
稼こうと、扇情的な見出しや、誰かを傷つけるようなコンテンツが跋扈して
しまう。しかしそれはネット空間が発展途上だからと楽観論者は言う。
先日収録した「ニッポンのジレンマ」という番組でも、ウェブメディアで
活躍する論者たちが素敵な未来語りをしていた。そのような未来が本当に
実現されるのかはわからない。だが、少なくとも言えることがある。
そうした「情報技術が明るい未来をもたらす」という議論は昔から繰り
返されてきたということ、そして技術の力では、大して社会が変わって
こなかったという残念な事実である。「ニューメディア」「マルチメディア」
「高度情報化社会」、そして「インターネットと形を変え流行してきた。
しかし、衆愚の問題}にとってもそうで、技術の力で社会の形が大きく変わって
きたようには思えない。少なくともウェブ2・0が宣言されてから10年で、
日本社会は大きく変わってない。ネット空間には「バカと暇入」が増えた
だけのように見える。なぜか。答えは簡単で、衆愚とは何もネット空間
だけの問題でなく、この社会の問題である。
▼ 問題は、衆愚の結合である。これまで衆愚を一神教が、結合してきた。
問題は、その手段としてウェブが使われるのか、それとも、その虚構を
根こそぎ破壊してしまうのか。何せ、相手は2000〜3000年の歴史がある
絶対神のアッラーである。当分の間は、ネットで衆愚を収めるだろう。
残念なのは、日本の衆愚だけでない、世界の衆愚である。バカは世界の
何処にも存在し、底辺ほど直ぐに繋がり結合する。しかし、優秀な者同士も
繋がり、アップスケールの機会が与えられている。情報環境空間がネットで
地球上に広がったのである。
・・・・・・
閑話小題 ー美人の黄金比
2014年10月12日(日)
* 美人の黄金比
誰もがその人を美しいと感じる、“美人の法則”が存在するという。
1:目を中心にして、「頭の頂点まで」の長さと「アゴの先まで」
の長さが同じであること。
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10月12日(木)
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