ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[384208hit]
■5964,人生楽しいかい? −3
人生の目的について私を諭した。人間は目的をもっていなければならないし、
自分の非凡な能力を無駄にするのは罪だ、と。彼女はヘレンから最近の物理学
の動向について聞かされていたのだ。そして、私の理論化する才能を生かせば、
奇跡的なことが成し遂げられるはずだし、物理学部の誰よりもすごいことが
できる。並外れた数学の力があれば、アインシュタインのようにもなれるかも
しれない、と彼女は信じ込んでいた。ばかげた話だった。二人の女性が、
私を驚異の人物に仕立てようと決意している。まったく常軌を逸していた。
私は心からヘレンを愛していたが、彼女たちの期待に応えるために、四十歳
まで残されたわずかな人生を費やすのは、あまりにも惨めだろう。おそらく
物理学部の人たちは、すぐに私が偽者だと気づき始めるだろう。どうして自分
に並外れた才能があるなどと信じられよう。もしこのまま彼女たちと暮らせば、
一時の平和も見出せないだろうと思った。私は一刻も早く行動を起こして、
放浪生活に戻らなければならなくなった。こうして収穫期が近づいたある日、
私は何も告げずに、バークレーを離れた。・・・ ≫
▼ 何か、ホッファーの傷の疼きが、そのまま井伏鱒二の詩が代弁している。
<この杯を受けてくれ どうぞなみなみ注がしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけ が人生だ>
先短い人生、一時的安住を選ぶか、放浪哲学者の道を選ぶか。
20才代、創業のための自己配転をした節目の孤独感を思い出す。
目指す所が、あまりに遠く、現状に安住できない二重構造の自分が、
存在していた。 極限を乗越えていくのが青春であり、青年である。
・・・・・・
4869,「事業人生を決心して45年」の語り直し ー37
2014年07月14日(月)
* 閑話小題 −なぜ、あなたはいつもお金が足りないのか?
『 なぜ、あなたはいつもお金が足りないのか?』小堺桂悦郎著ーに、
45年間の事業で実感した真髄が、そのまま書いてあった。
《 ・・多くの経営者が、「儲けようとして損をしている」わけです。
誰しも、自分から損をしようとする人はいません。ならば、まず徹底して、
損をしないようにしましょうと、私はアドバイスをします。》
のぼせ上り、より儲けようと歯止めが利かなくなり、ミスに繋がっていく。
ファッションなどの不良在庫の発生原因の多くが、売れ筋商品の代替商品がヘドロ化
したもの。 チョッとした違いに消費者は敏感だが、売り手が気づかず仕入れ
をしてしまう。 売れ筋がベストとすると、その品切れをベター商品で補おう
として不良在庫になって、損失につながる。これ事業も、人生も全く同じ。
10年、20年かけ積上げた利益の保留分が、創業時の周到に準備を重ねた構えを
忘れ、目先のベターに妥協をした結果、損失に変えてしまう。新潟駅前では、
それが駅から一番離れたのホテルと、駐車場。これが、それまでの利益のみ
ならず、本体の経営を揺るがす。ちなみにベストは、関越自動車道からの
東バイパス沿い立地。その判断ミスが致命的な戦略ミス。
それを戦術的リストラでカバーをしても、所詮は無理。3年前の結果は、
ベストでなく、ベターの選択の結果である。現在も同じことが言えるのでは?
決して、ベストではない? 流れで、自宅に、そのまま住んでいる。
ところで、私の場合どうだろう? 3年まえも、そうだったが、今日明日の
資金繰りに追われたことは、人生に一度もなかった。それは、むしろベスト
でなく、ベターだったのか?「なぜ、人はいつもお金がたりないのか?」と、
問われれば、「万一の備えと、その知識が足りないため!」になる。
ワーストは、ベターの服装を着て擦り寄ってくる。 で、このザマ!
アベノミックスは、決してベストではなく、ベターでしかない。
ベストは何? 意図的なブラックスワンで、一度、現状を
清算をさせ、国家非常宣言をした上で、思い切った国家的リストラ。
当然のことだが! グローバル的には秒読みに入っている。
[5]続きを読む
07月14日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る