ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[383700hit]
■5512,人類史上最大のバブルが弾ける時 〜②
今さらだが、時代を鳥瞰するにクリアーで解りやすい。 ー(P183)
《【十八世紀の後半に起こった産業革命は、それまでの世界のあり方を変えて
しまった。その新しくなった"世界秩序"が日本にやって来て、日本は150年前に
開国した。開国した日本は、その時の世界秩序にのっかって、見事に成功した。
成功して行き過ぎて、第二次世界大戦とバブル経済という二度の破綻を経験した。
成績トップになった優等生の日本は、それゆえに"見事な破綻"を経験するが、
その他の国はまだそこまで行っていないので、相変わらず"産業革命以後の体制"
は健在だったが、今度はアメリカが新たな破綻にぶつかった。産業革命以降の
体制は、アクセル全開の自由貿易主義だったが、そのこと自体にブレーキが
かかってしまった以上、改め"ブレーキをかけることの意味"を理解した方がいい。
そんな世界的なあり方は、″会社の仕事に追い回されて、自分及び自分の家族
やその周辺のあり方を省みない゜という日本人のあり方にシンクロする。自分の
あり方を省みるために、もう一度‘本を読む’というところに立ち戻ったらいい】
この考え方をエコノミスト的に裁断すると、私は「保護主義のイデオローグ」
ということにもなるが、私はエコノミストではない「人間のあり方に立脚する」
文芸関係者なので、「そりゃお門違いだろう」ということにしかなりません。
バブル経済へ向かって進行する中で、いくつもの誤解は生まれましたが、
「経済が分からないのはバカだ。物事は経済的見地’にのっとって見なければ
ならない」ということになってしまったのも、その一つです。 経済の方で
「保護主義的」と言われるものは、「人間のあり方に立脚する」立場からすれば、
「人が生きて行くために押さえておかなければならない基本」でもあって、
だからこそ私は、経済の方では「保護主義的」と言われるものを「自立」と
関連づけるのです。「金儲け」のことをあまり考えない、その能力があるとも
思えない文学や思想、哲学といったもの ーつまり「文学」「その他」は、
「働いて金を稼ぐ」に代表される現実生活のことを、ともすれば忘却しがちです。
・・・ 2008年秋以降の・金融危機・経済危機はそれで、「破綻してよかった」
でもあります。しかし、でありながらも「世界」の方は「豊かさの達成は進行中」
という前提に立って、相変わらずの「富の均質化」を求めます。だから、輸出量
や輸入量の調整は求められるのですが、この「調整」の向う方向は、一つです。
「豊かである国の、既に達成された豊かさを目標にして、世界中を均す」です。
既に経済危機で「豊かな国の豊かさの基準」はぐらついているのですが、世界が
「豊かさの達成はなおも進行中のはず」という前提に立っている以上、目標と
される基準値は「豊かな国の豊かさ」です。そしてこれは、「工業に追い抜かれ、
工業にすがりついて追いつこうとする農業の哀れさ」と同じ質のものなのです。》
▼ 大きな節目時に、読書をして行間を読むしかない、ということ。
特に、アメリカの露ばらいをさせられた日本こそ、新たな解決をしなければ
ならない。「経済の自立=保護主義的になりざるをえない、という基本を押さえて
おくこと」には、考えさせられる。日本は明らかに衰退の道を歩き始めた。
しかし、現実をみると、誰も直視しない。そのツケは、株価と国債の暴落という
突然の崩壊で生じることになる。日本は近い将来、豊かさとは、かけ離れた国の
悲哀を味わうことになる。150年の間の政治経済のマクロの流れを振り返り、
今後の方向性を見つけることは至難の業だが、それでも見つけ出すしかない。
「普通の国」が、キーポイントだが、地政学的に見て、日本は中国とアメリカ
の間にある海洋国家。その辺りが鍵になる。今後10年間は、これまでの10年間
より遥かに厳しい事態になる。この20年間の変化が、10年間に圧縮して襲い
かかるとしたら、考えただけでも身震いがするが、興味もそそられる。
気の毒なのは、若い人たちである。
・・・・・・
4415, 余生を過ごす場所は?
2013年04月18日(木)
[5]続きを読む
04月18日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る