ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[384265hit]
■5473,閑話小題 〜歴史上稀なる恵まれた時代を生きてきた
・・・・・・
2012/03/03
宇宙は本当にひとつなのか ー2
「宇宙は本当にひとつなのか」 村山斉著
先日、「宇宙論のコペルニクス以来の大転換」について書いたが、
そのタネ本が、この「宇宙は本当にひとつなのか」。私にとって、世界観が
ひっくり返るほどの驚きである。オーバーにいえば夜半に目がさめ、これを
考えると息苦しくなるほど。宇宙の果てがあるのか、時間の始まりがあるのか、
神の存在とは、自由とは何か、どこまで自由になれるのか?などの問いは、
この本を読んでしまうと根底から揺らいでしまう。前提が宇宙がひとつ、
だったのが、10の500乗の宇宙の存在の可能性を突きつけられれば、
今までの宇宙論と、世界観は何だったのか?になる。コペルニクスの地動説が
事実と知った時のキリスト教徒のようなもの。これは万物の存在に根底から
問い直しを迫った宇宙論になる。
「宇宙で原子でできている目に見える物質は5 %に満たず、残りの約23 %は
正体不明の暗黒物質(ダークマター)と、73 %の暗黒エネルギーが占めている。
それが、どうもあるらしい。ということは、宇宙の約96%は正体不明で、それら
は他の宇宙から、私たちの宇宙に流れ込んできている 」という途方もない説。
まず、「 第一章 私たちの知っている宇宙 」から、幾つか書き出す。
* 私たちの知っている宇宙
・ 地球が太陽の周りを回る速さは、秒速 30 km。
・ 星の成分は光を分析することで解る。
温度が高い場所ではどんな物質でもガスになる。
光がガスの中を通るとガスにより決まる波長が吸収される。
このスペクトラムの欠けで元素がわかる。
・ 宇宙の年齢は137億年。宇宙が膨張して38万歳のときに電子と原子核が
くっついて光が真っ直ぐ進めるようになる(宇宙の晴れ上がり)。
このときの光が宇宙背景放射である。 地球の年齢は約46億年。
・ 2006年8月に冥王星は惑星から準惑星に格下げになった。光の速度で4時間。
月は7分。太陽系の中で恒星は太陽だけ。次に近い恒星はケンタウルス座
プロキシマ星で4.2光年。 我々の天の川銀河には約2000億個の星がある。
太陽系は中心から28千光年離れた端に近い場所にあり、天の川銀河では、
まだ若く星や惑星が生まれている。太陽系は銀河の中心を秒速220kmで動く。
・ 銀河団より広い6.6億光年でみると、銀河は一つの点になり、線のように
つながったフィラメント構造と空洞になった泡になる。
これを宇宙の大規模構造という。
・ 60億光年位の範囲で見ると、宇宙はだいたい均質で同じような性質を持つ。
これを宇宙原理という。
・ スイス・ジュネーブ郊外の地下一周27kmの世界最大の加速器
「大型ハドロン衝突型加速器」でビッグバンを再現する実験を行なっている。
ここでは、ブラックホールをつくる計画があり、できれば4次元以外の次元、
つまり、異次元があるという証拠になる。そうすれば、異次元の中を運動する
物質の暗黒物質の正体もわかるかもしれない。
▼ この数年来で最も面白く、ショックを受けた本である。このところ、
ショックのことが多い。異次元世界、いや異次元宇宙があるとはね
・・・・・・
2012/03/06
宇宙は本当にひとつなのか ー3
「宇宙は本当にひとつなのか」 ー村山斉著
「暗黒物質ーダークマター」「暗黒エネルギー」「多次元宇宙」「多元宇宙」
が、この本のキーワード。まず「暗黒物質ーダークマター」から取り上げる。
* 「暗黒物質ーダークマター」とは?
目で見えなく正体不明だが重力を持つように観測されるものを
暗黒物質と呼ぶ。銀河は遠くに行っても星やガスの速度は遅くなっていない。
このためには、見えない物質(暗黒物質)が銀河の端に行くほど増加して
いなければならないことになる。また、遠くの銀河団の光が巨大な重力に
よって曲げられている。これから暗黒物質が存在していることがわかる。
[5]続きを読む
03月10日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る