ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5296,『自分を超える 5つの法』とは 〜『自分を超える法』ー③
小数点以下、無限に続く意味のない数字の羅列だ。この円周率を一〇万桁以上も
暗記しているのが、原口謹さんだ。かつて私は、この原口さんと、五四歳のとき
に円周率四万桁の暗唱記録を打ち立てた友寄英哲さんの記憶能力について調べた
ことがある。その結果、二人の基本的な記憶能力は、同年代の人たちとそれほど
ちがいはなく、特殊な才能は何一つみられないことがわかった。
しかし、その代わり二人とも、日本人にはおなじみの、「語呂合わせ」を使う
技能に長けていた。つまり、何万桁もの円周率も語呂合わせで覚えていたのだ。
語呂合わせは、端的に言えば、数字の羅列のような意味のないものに意味づけ
することだ。原口さんも友寄さんも、けっして若いとは言えない年齢であるにも
かかわらず、並外れた「記憶力」を示すのは、二人が意味づけという記憶の
秘訣を使っているからにほかならないのだ。もちろん、何万桁もの数字の語呂
合わせをつくり、それを完壁に覚えるまで繰り返した努力を忘れてはならない
のだが。では、無意味なものを意味づけるために必要なものは何だろう。
それは知識だ。知識が貧弱だと、深い理解はできない。逆に豊富な知識をもって
いると、まったく理解できないような事柄であっても、自分の知っていること
との類似点をみつけるなどして、意味づけが可能になる。たとえば、難解小説を
読むときに、作者の生育環境や交友関係などを知っているとよく理解できること
があるが、これが知識による意味づけの一例だ・・
ここで重要なことは、知識が増えれば、その後新しい事柄に出くわしても
その意味づけが可能となり、記憶に残る。ひいては、新たな知識として頭の中に
加わるということだ。つまり知識が増えるほど、新たな事柄の意味づけがより
多面的にできるようになり、知識に加わりやすくなる。よい循環が生まれるわけ。
逆に知識が乏しければ、新しい事柄も記憶に残らず、いつまでも知識は貧弱な
ままという悪循環に陥ってしまう。一六世紀から一七世紀にかけて活躍した
ベーコンは「知は力なり」と言ったが、まさに記憶にとって、知識は力なり」
なのだ。原口さんも友寄さんも、会って話をしたときに一番強く感じたのは、
もっと新しいことを知って、知識を増やしたいという、旺盛な好奇心をもち
続けているということだった。つまるところ、彼らの記憶力の秘訣である
多面的な「意味づけ」は、旺盛な好奇心あってのものだということなのだろう。》
▼12年以上も随想日記を書き続けて、これにエネルギーを費やしていること
に疑問を持たないことはない。反面、この御陰で人一倍の旺盛な好奇心を持ち
続けている利点がある。さらに記憶媒体になる上に、公開することで、情報と
知識のギブ・エンド・ギブにもなる。印象に残った読書内容を感想と共に
「起承転結」でパックにすることで、自分の知識として残すことが出来る。
知識が増えた分、新しい事柄や知識に出くわした時、その意味づけが深くなり、
記憶に残る。少しキツイが、私にとってベストの習慣になっている。
続ければ続けるほど、自分の底の浅さに愕然とする。
・・・・・
4189, 呪いの時代 ー7
2012年09月14日(金)
「呪いの時代」内田樹著
* 婚活も、「適職イデオロギーの刷り込み」の一種
ー第5章「婚活」と他者との共生ー
ここで著者は、「ほぼ全ての結婚は、最後は『失敗だったな』と思うもの!」
と断言する。家庭内離婚を含め過半数が破綻しているのは知っていたが、ここで
殆んど全部というから驚きである。知人などから、こっそりと、『失敗だった』
という愚痴を聞くと、禁断の秘密を知ってしまったと思ったが、全部が、そういう
ことなら話は別。 実際に暮らして分かる相性もある・・ ーその辺からー
≪ 婚活もイデオロギー的洗脳によってエンドレスの願客を作り出すという
ビジネスモデるにおいては就活と同じ。就活における「適職イヂオロギー」
にあたるのが、「運命の赤い糸で結ばれた宿命の配偶者幻想」です。
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09月14日(月)
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