ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5288,「毎日を一生懸命すごすこと」の価値 〜『自分を超える法』
 例えば、あるところが住みよいとなれば人ロが増えていきますよね。
たけし〕 そうなると誰かがふき飛ばされる人が出てくる。
関野〕ええ、誰が出ていくかが問題になる。強い人出ていきません。
 そこで、はじき出された人がフロンテアに行くわけです。滅びてしまう人も
 多いと思いますが、そこでバイオニアになれた人が生き残れる。
 創意工夫を働かせて適応した人が「住めば都」に変えてしまう。
 そこでも人口が増えると、また弾き出される人たらが出てくる。
 だから、日本は弱い人の吹だまり。それ以上、東に行けないわけですから。
たけし〕日本人がもともと弱い人間の吹だまりだというのは面白いね。
関野〕それはイギリスも同じですね。もっと西に行けない。ところが、いいか
 悪いかけ別にして、日本はアジアを制圧しようとしたし、イギリスは世界を
 制覇しようとした。だから、弱いといって、いつまでも弱いわけでない。
 弱いから逆にいろんな知恵を使うわけです。元もと人類はその誕生のとき
 から、弱いから知恵を使って生きてきた。 》
▼ 強みは、弱者の苦労から湧き出る知恵から生まれる。決して野心を持って
 挑んだ訳ではない。弱者の知恵こそ、力になる。弾き出した方はといえば、
変化適応能力が無くなり弱者になっていく。 何処かの国か、地域そのもの。
脱皮できない蛇は死ぬ。
・・・・・・
4181, 呪いの時代 ー1
2012年09月06日(木)
              「呪いの時代」内田樹著
 なかなか時代の特質を捉えた面白い本である。バブルと、バブル崩壊後、
日本は20年以上も下降曲線をたどっている。経済大国と言われたのも遠い
過去になりつつある中、人々は、その環境の中で互いに呪い、怒りをぶつけ
あっている。そして中流社会が崩壊を始め、総下流化社会になりつつある。
そこでは互いに呪い、一部勝ち組を呪う時代になっている。
呪いは人間としての悪い意志、否定的な情動であるが、その核心部分には
他者の全面否定と破壊と殺意が内蔵されている。自己崩壊は他者への憎悪と
なり自他とも傷つけるだけでない、未来へ希望と友愛を損傷する。
「呪いの時代」は、言い得て妙である。
  * まずは、第一章 呪いの時代より
≪「呪い」は今や僕たちの社会で批評的な言葉づかいをするときの公用語に
 なりつつあります。「弱者」たちは救済を求めて呪いの言葉を吐き、
「被害者」たちは償いを求めて呪いの言葉を吐き、「正義の人」たちは公正な
社会の実現を求めて呪いの言葉を吐く。けれども彼らはそれらの言葉が他者
のみならず、おのれ自身へ向かう呪いとしても機能していることにあまりに
無自覚のように思われます。20年ほど前、まだ僕が学会というところに顔を
出していた頃までは、学会発表後の質疑応答で、「あなたは…の論文を読んで
いないのではないか」とか「周知の…についての言及がないのはなぜか」
といった、「そこで論じられていないこと」を持ち出して、「こんなことも
知らない人間に、この論件について語る資格はない」と切り捨てる態度に出る
学者が沢山いました。僕はそういう「突っ込み」を見るたびに、どうして
彼らは「自分の知っている情報」の価値を高く格付けする一方、
「自分の知らない情報」が知るに値しないものだとあれほど無邪気に信じて
いられるのか、その理由がよくわかりませんでした。僕たちは誰でも自分の
知っていることの価値を過大評価し、自分の知らないことの価値を過小評価
する傾向にあります。だから、学者にとっていちばん最初の仕事は、自分の
所有する学術情報を適切に評価することであるはずです。でも、
「君は『こんなこと』も知らんのか」と気色ばむ学者たちは「こんんなこと」
が議論の始点でなければならない理由について、ほとんど説明責任を持てない
ようでした。・・・・ 学者というのは「知識を持つ人間」ではなく、
「自分のもつ知識についての知識を持っている人間」のことだと思います。
ですから自分の知っていることは「知るに値すること」であり、自分が知ら

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09月06日(日)
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