ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6829,閑話小題 〜大相撲も終わってしまえば
<最も低い能力の者に合わせた力を発揮する集団になる>
ということが判りました。考えてみれば当然でしょう。うんと働いても少ししか
働かなくても報酬が同じならば、多くの人間はだんだん働かなくなる方向へ行く
のは目に見えている。 これに対して資本主義では、働きの良い者と悪い者の報酬
には多大の格差があります。この格差があるからこそ人は、「自分ももう少し
頑張って報酬を増やそう」と考え、社会システム全体が進歩してきました。
人間社会、否、生物の社会では格差が生じるのは当然のことであり、むしろ、
格差が社会を進歩させる原動力となるわけです。 それでは、全く自由に放任
すれば、社会システムは良い方向へどんどん進化するのでしょうか。
そうでないことは過去の歴史を見れば明らかです。私たちは正常な格差が生じる
ようなルールを見つけねばなりません。この考え方の基礎となるのが「公平」です。
公平の定義にあるように、人間すべてに「自らの努力次第でどんなに大きくも
成長出来る機会」が均等に与えられている事が必要です。人種、国籍、家柄、性別
等による活動制限を合理的ルールで極力取り除き、どのような人でも、どのような
方向にも挑戦することが出来、成果があればきちんと評価されるシステムとなって
いる必要があります。公平なシステムが機能すると社会は良い方向へ進化します。≫
―
他にも、シンプルに…
≪「平等」= 個人の資質、能力、努力、成果に関係なく一定の規則通りに遇する
システムとなっていること。
「公平」= すべての人に対し、機会が均等に与えられており、成果を上げた者が
評価され、報われるシステムとなっていること。≫がある。
―
▼ 考えてみれば分かることだが、自然原理からして、平等、公正など存在して
ないはず。建前として、それを掲げないと、社会が維持できない難しい存在が
人間の本質。ネアンデルタール人が滅び、ホモ・サピエンスが生延びた理由。
姻戚集団から抜け出せなかった前者から、ホモ・サピエンスは、違った血筋の家族
が寄添って集団生活を過ごす他者との融合が、人類にとって最大の境目になった。
敵は野生動物、自然災害の猛威だけでない。他部族、他民族の攻撃、殺戮に対する
猛威もある。 〜つづく
・・・・・・
6100,閑話小題 〜チョイト哲学、「死」について −2
2017年11月25日(土)
<反・幸福論 佐伯啓思>
* 死とは自己のうちから出てくる
リタイア後の日々の生活で、毎日が‘絶対的な無意味’かつ‘ニヒリズム’
の果てしない海に私という舟が漂っている感覚にある。老いの心理状態とは、
こんなものかと。目先を楽しむか、何か新しいことに近づくしか手立てはない。
≪ ☆ ‘絶対的な’無意味
たとえば、展覧会などでただ真っ白なキャンパスだけが置いてあれば、
怖ろしいとか、嫌悪感というより、不気味な感じをするのではないか。
それは、製作者の意図がわからないからです。製作者の意図とは、絵の持つ
意味です。その意味が見いだせないから、何か不気味なものを感じるのです。
もっとも、これらは「生」のなかの話なので、いずれ相対的なもので、あえて
意味を剥奪するすることで逆説的に「意味」を与えようとしているが、本当に
壮大な「無」に向合ったとき、恐怖や不安やおかしいなどというより、まずは
「不気味」な感じを持つでしょう。では、その不気味さから逃れるために、
どうすればよいか。さしあたり答えは簡単です。意味を求めないことです。
意味の無いことに意味を求めるから不気味になるのであって、意味ない、答えの
ないものについて、意味を求めることをやめることです。…
☆ ニヒリズムからの脱出
「死の観念」は、われわれをただ不安のまま宙づりにするだでなく、「死」に
ついての何の解決も与えるものではない。いくら「死」について考えてみても、
「死に方」一つ容易に糸口さえもつかめないのです。窓のない暗室のような部屋
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11月25日(月)
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