ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6740,閑話小題 〜映像社会、そのすえ恐ろしい時代
記憶を持っているという発見がある。人間は、それを失う代わりにシンボル、
表象、言語と呼ばれる認知機能を手に入れた。直観像記憶は、他者と共有出来ない。
そして、脳の容量は決まっているからだ。日本の研究は、欧米の母子分離による
研究でなく日本オリジナルな「観察参与」という方法によるものである。
・人の希望や絶望もこの「想像するちから」を身に付けたところから始まった。
人は、系統樹でチンパンジーから分かれてから後、言語や文化、あるいは文明は
飛躍的に発達したかもしれないが、その代償としてチンパンジーたちの
「明日を思い煩うことのない心」の世界からは遠く離れてしまった。≫
ー
▼ 情報機器の飛躍的進歩は、ネット上に写真・録画などの画像を記録し、
公開出来るようになった。逆に言えば、想像力の減退につながる。ポルノ
写真が、その代表。言語獲得で、想像力が生まれ、その過剰が文化、文明が
生まれていった。この「テーマ日記」も、毎日、膨大に入ってくる情報・経験
を物語風にして、パッケージすること。そこにHP内検索機能を付けて、忘却の
彼方の記録を瞬時に引き出せる。 拙い脳の大枠の公開でもある。今さらと…
としても、非常に危険である。過去の文章を読返すと、そこに現れ出るのは、
過去の自分という他者。明らかに現在の自分ではない。誰だろうか、過ぎ去った
あの人は? そこから過去の他者と、現在の私の会話が始まる。これが内省?
・・・・・・
5645,不幸な国の幸福論 〜A
2016年08月29日(月)
<不幸な国の幸福論 2009/12/16 加賀乙彦 (著)>
* 幸福を阻む考え方・生き方
著者が東京発大阪行きの新幹線に乗車したところ、典型的な上流と
思ぼしき上品な奥様方3人のグループがすぐ後ろの席に場所を取った。
ご婦人たちは京都に着くまでの時間、大きな声で“会話”の話が著者の
耳に飛び込んできた話題を紹介している。 〜要約すると〜
《・「ご主人、部長になられたんですって? さすがねぇ」
・「さすがどころか、やっとなのよ。○○さんはもう役職待遇なのに」
・「でも同期の中では二番目に早いご出世だって聞いているわよ。羨ましいわよ。
息子さんは○×大学だし、お嬢さんもご結婚が決まったそうで」
・「主人の母校の△△大に行かせたかったのに落ちちゃって。○×大も悪くは
ないけど、義姉のところの子供たちが△△大出て外務省だから肩身が狭いのよ。
それに娘の相手がねえ。ウェブデザイナーとかいう仕事なんだけど専門学校
しか出てないの。フリーランスだから不安定だし、ご実家も借家住まいで・・」
京都駅で降りていく三人組は、それぞれブランドのバッグを持ち、ブランド
らしき服やアクセサリーで着飾っていた。 夫は難関大学出身で、日本有数の
大企業で働いているらしい。 住んでいるのは東京・世田谷の高級住宅街。。
著者は「快楽の踏み車」の言葉を用いている。 カゴの中で踏み車に乗って
ぐるぐる回転するハツカネズミ。そう自分で自分の欲望を果てしなく肥大化させ、
疲れ切ってしまう人間たちを重ね合わせている。
与えられた理想形「これこれの条件を満たせば幸せになっる」を疑うことの
ない人は、そのレールの上は走れても、レールから一歩はずれたら、自分が
どのように考えて進んでいけばいいのかわからなくなる。外的価値に拘れば、
束の間の満足と引き換えに、永遠の二十日鼠の、快楽のふみ車をまわし続ける
ことになる。》
▼ 面白い内容である。私が5年前の会社整理をした時に、外的価値に縛られ
一生を終えるハツカネズミと、ドブネズミに罵声を浴びせられた。しかし、
ネズミはネズミと分かっているから平然としていられる。新潟駅前のチンピラ
に何度も暴言罵声を浴びせられてきたが、これ以下の連中と確信できるので
超然としていられる。
家内が某女子大の県内の地元OB会で、大小規模の経営者婦人たちとの会話は
大同小異で、こんなもの? オーナー会社の御婦人が中心もあり、少し違うが、
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08月29日(木)
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