ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5421,人生で最も大切な技術 ーD
〜幸福とは、命を慈しむことに他ならない〜 人生は命を慈しむこと
である。そのためには、物事の本質を把握しなくてはならない。
学び続けなければならないのである。世界は広くて深い。
・・・・・・
5057,閑話小題 〜「字のない葉書」
2015年01月18日(日)
* 「字のない葉書」
向田邦子のエッセイ、「字のない葉書」がよい。 〜途中からだが・・
≪ ・・終戦の年の四月、小学校一年の末妹が甲府に学童疎開をすることに
なった。すでに前年の秋、同じ小学校に通っていた上の妹は疎開をしていたが、
下の妹はあまりに幼く不憫だというので、両親が手放さなかったが、三月十日
の東京大空襲で、家こそ焼け残ったものの命からがらのめに遭い、このまま一家
全滅するよりは、と心を決めたらしい。妹の出発が決まると、暗幕を垂らした
暗い電灯の下で、母は当時貴重品になっていたキャラコで肌着を縫って名札を
付け、父はおびただしいはがきにきちょうめんな筆で自分あてのあて名を書いた。
「元気な日はマルを書いて、毎日一枚ポストに入れなさい」と言ってきかせた。
妹は、まだ字が書けなかった。あて名だけ書かれたかさ高なはがきの束を
リュックサックに入れ、雑炊用のどんぶりを抱えて、妹は遠足にでも行くように
はしゃいで出かけていった。 一週間ほどで、初めてのはがきが着いた。
紙いっぱいはみ出すほどの、威勢のいい赤鉛筆の大マルである。付き添って
行った人の話では、地元婦人会が赤飯やぼた餅を振る舞って歓迎してくださった
とかで、かぼちゃの茎まで食べていた東京に比べれば大マルにちがいなかった。
ところが、次の日からマルは急激に小さくなっていった。情けない黒鉛筆の
小マルは、ついにバツに変わった。 そのころ、少し離れた所に疎開していた
上の妹が、下の妹に会いに行った。下の妹は、校舎の壁に寄り掛かって梅干し
のたねをしゃぶっていたが、姉の姿を見ると、たねをぺっと吐き出して泣いた
そうな。まもなくバツのはがきも来なくなった。三月目に母が迎えに行った
とき、百日ぜきをわずらっていた妹は、しらみだらけの頭で三畳の布団部屋に
寝かされていたという。(略)・・
夜遅く、出窓で見張っていた弟が、「帰ってきたよ!」と叫んだ。
茶の間に座っていた父は、はだしで表へ飛び出した。防火用水桶の前で、
やせた妹の肩を抱き、声を上げて泣いた。私は父が、大人の男が声を立てて
泣くのを初めて見た。あれから三十一年。父はなくなり、妹も当時の父に
近い年になった。だが、あの字のないはがきは、だれがどこにしまったのか
それともなくなったのか、私は一度も見ていない。≫
▼ 字のない○×だけの葉書でも、書かれてない空白に情報が詰まっている。
○×だけで、多くの感情を表現できるもの。自分は分からないが、14年間の、
このブログにも、エネルギーだけは十分に詰め込んだため、多くの情報が
詰まっていたのだろう?成るほど、後で読み返すと、経験の痕跡は言葉で
残すことが可能と実感する。ダイアリーに心の天気図を◎○△×を付けて
おくのもよい。で、昨日は○のち×!気象も、記録が可能で、△×。夕飯?
シネマ評、TV観戦の大相撲もドラマ評も、可能。 問題はするかしないか。
・・・・・・
4692, 中年期の8つの危機
2014年01月18日(土)
『心を癒やす言葉の花束』アルフォンス・デーケン著
この中で「中年期の8つの危機」を紹介しているが、曖昧に生きてくると、
晩年の老年の危機になる。以下は老人への要素であり、乗り越えられないと、
老醜として現れ出ることになる。 ーまずは、その8つの危機から
� 時間意識の危機(残された時間が少なくなってきた感覚に目覚める)
� 自分の役割意識の危機(多くは中年期までに社会的に一つの役割をはたす)
� 対人関係における危機(協調や柔軟性が失われ対人関係が巧くいかなくなる)
� 価値観の危機(若い頃の価値観が揺らぎ始める)
� 思いわずらう危機(健康や将来に対して無用な不安や思いわずらいが増える)
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01月18日(月)
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