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★予防と審美専門★【小林歯科クリニック】
by DIARY
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■口腔ケアが肺炎防ぐ
読売新聞の医療ルネサンスに、「歯と全身の病」というシリーズが掲載されたので、抜粋&加筆の上、転載する。

さて、5日目@最終回の今日は、長期入院の高齢者が多い某病院の場合・・・

W先生は7年前、病棟内の強い臭気に首をかしげた。
「排せつ物のにおいでは」と思うほど。
原因は、患者の口に増殖した細菌や、蓄積した分泌物だった。
病院側の依頼で、入院患者に口の消毒やマッサージなどの口腔ケアを定期的に続けるうち、においはすっかり消えた。

さらに、別の変化が起きた。
抗菌剤が効かないMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)で肺炎などになった患者が、以前は毎月10人前後いたのに、3か月後には3人に減ったのだ。
脳梗塞などで、食物や水分を飲み込む嚥下(えんげ)機能が低下し、腹部に開けた穴から管で栄養剤を胃に直接入れる「胃ろう」などを設けた患者は、十分な口腔ケアを受けていない場合が多い。
W先生は「食べられなくなった人ほど、ケアが必要です」と強調する。
 
口を使わないと唾液が減り、口腔内の殺菌力が弱まる。
さらに歯茎が細り、粘膜の抵抗力が落ちる。
するとMRSAだけでなく、緑のう菌や歯周病菌など、口腔内の常在細菌が異常増殖する。
食物を取らない人の口を放置すると「2週間で舌がカビで覆われる」とW先生。
これらのカビや細菌が気管に入れば、致命的な肺炎につながりかねない。
こうした「誤嚥(ごえん)性肺炎」を防ぐため、この病院では、歯科医や歯科衛生士が病棟を回り、患者の口腔ケアを続けている。

3年前に起こした脳梗塞がきっかけで、胃ろうで栄養をとるD子さん(82)は、たんの詰まりから体調を崩し、先月入院した。
3週間の入院中、看護師による歯磨きに加え、歯科衛生士のBさんから、週2回の口腔ケアを受けた。
Bさんはまず、消毒用の綿でD子さんの口の周りを丹念にふく。
MRSAなどを口に入れないためで、続いて氷入りの消毒液に浸した綿で歯茎や歯、舌などをふいていく。
消毒液を冷やすのは「口内に適度な刺激を与えるため」という。
さらに、指でほおの内側などをマッサージ。患者1人に20〜30分間かける。
退院後も同病院で定期的な口腔ケアを受け、口を閉じたり、呼吸を一時止めたりする嚥下機能訓練をするうち、ゼリー状の食べ物を飲み込めるようになった。

口の衛生状態の改善と嚥下機能の回復で、肺炎は予防できる。
病院、老人ホームや自宅でも、口腔ケアの見直しが求められている。
誤嚥性肺炎 高齢者や脳卒中の患者に多い。
嚥下機能の低下で、口腔内の常在細菌や分泌物、胃液などが少しずつ肺に吸い込まれ、発症するケースが多い。
食事も注意が必要で、汁物などに「とろみ」をつけたり、ゼリー状にしたりすると誤嚥を起こしにくい。
12月02日(金)
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