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On the Production
by 井口健二
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■おさるのベン、マーティ・シュプリーム、水の中で息をする-彼女でも彼でもなく-、ウィキッド永遠の約束、ランニング・マン
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『おさるのベン』“Primate”
2017年10月1日付題名紹介『IT/イット “それ”が見えた
ら、終わり。』の製作総指揮者とパラマウント・ピクチャー
ズが手を組んで、日常生活で起こりうる恐怖を背景に描いた
ホラー作品。
映画の始まりは檻の中の獣の診察に来た獣医。彼は檻に入っ
て診察を始めようとするが、突然狂暴になった獣に襲われ、
惨殺される。しかしその状況は周囲には不知のままになって
しまう。
そして主人公は久しぶりにハワイの実家に帰ってきた若い女
性。その崖に面したプールのある邸宅とも呼べる実家には聾
者の父親と妹、それに手話や読み上げ機能付きタブレットで
会話も可能なチンパンジーがいた。
ところがそのチンパンジーが突然狂いだす。その腕力は人間
をはるかに上回り、主人公らはプールに追い詰められる。そ
こは狂犬病に罹り水を怖がるチンパンジーからは安全地帯だ
ったが…。絶体絶命の恐怖が彼女らを襲う。
脚本と監督は、2017年公開『海底47m』などのヨハネス・ロ
バーツ。シチュエーション・ホラーが得意の監督の新境地の
ようだ。なお脚本は『海底47m』にも協力したアーネスト・
リエラとの共同になっている。
出演はジョニー・セコイヤ、ギア・ハンター、ビクトリア・
ワイアント、ジェシカ・アレクサンダー、ベンジャミン・チ
ェン、チャーリー・マン、ティエン・シモン。それに2021年
『コーダ あいのうた』で聾者男優初のアカデミー賞®助演
賞に輝いたトロイ・コッツァー。
実は試写の前に宣伝担当者から洋画興業の窮状が訴えられ、
本作では「狂犬病」をキーワードに何とかムーヴメントを起
こしたいということだった。「狂犬病」と言うとスティーヴ
ン・キング原作で1984年映画化『クジョー』を思い出すが、
確かに恐怖心を煽るには良さそうだ。
実際に僕自身が10年程前にタイ・バンコクに行ったときに、
当時は狂犬病汚染地帯だった市内で夜間に前後を犬に囲まれ
て怖い思いをした経験があり、それがペットの発病では怖さ
も大きい。現実感もあるし、これは上手く行って欲しいと思
うものだ。
それともう一つ、1979年にジョージ・A・ロメロ監督の『ゾ
ンビ』を地方の映画館で観た際に女子高生のグループと一緒
になり、彼女らがキャーキャー言いながら映画を観ていた記
憶がある。
SNSもなかった時代にどういう状況で観に来たのか判らな
いが、案外女子高生とホラーは相性が良いのかもしれない。
こんなことも考えて上手くターゲットを絞ったキャンペーン
をして貰いたいものだ。
公開は2026年2月20日より全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社東和ピクチャーズの招待で試写
を観て投稿するものです。

『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
                   “Marty Supreme”
2014年の東京国際映画祭でグランプリを受賞したジョシュ・
サフディ監督が2018年1月28日付題名紹介『君の名前で僕を
呼んで』などのティモシー・シャラメを主演に迎え、1952年
の時代背景で卓球の腕を武器に世界に羽ばたこうとする若者
の姿を描いた作品。
主人公はニューヨークの小さな靴屋で働く若者。口が巧みで
社長からは店を任せるとまで言われるが、彼には別の目標が
あった。それは腕を磨いた卓球で世界に羽ばたくこと。そこ
で店の金をくすねてロンドンの世界大会に出向くが…。
そんな彼の前に強敵が立ちはだかる。それは敗戦後の渡航禁
止が解けたばかりの日本からやってきたエンドウと言う寡黙

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12月21日(日)
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