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On the Production
by 井口健二
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■ウィキッドふたりの魔女、あの歌を憶えている、Flow
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『ウィキッドふたりの魔女』“Wicked: Part I”
L・フランク・ボームが1900年に著した物語『オズの魔法使
い』。その物語に想を得てアメリカの作家グレゴリー・マグ
ワイアが1995年に発表した小説を基に、2003年に初演された
ミュージカルの映画化。
始まりは悪い魔女が死んだという告知。これは『オズの魔法
使い』でのドロシーの行いによるもので、これによって元の
物語との繋がりが明示される。そしてここから本作のストー
リーが展開されて行く仕組みだ。
それは告知に現れた良い魔女グリンダに対する、オズの住人
マンチキンの子供からの「グリンダは悪い魔女と友だちだっ
たの?」という問い掛けで、そこからグリンダと西の魔女エ
ルファバの来歴が語られることになる。
出演は2020年2月23日付題名紹介『ハリエット』でオスカー
候補になったシンシア・エリヴォと、グラミー賞受賞者のア
リアナ・グランデ。他にジョナサン・ベイリー、イーサン・
スレイター、マリッサ・ボーディ。
さらにボーウェン・ヤン、ブロンウィン・ジェームズ、キア
ラ・セトル、アンヂ・ナイマン、コートニー・メイ・ブリッ
グス。そしてミシェル・ヨー、ジェフ・ゴールドブラムらが
脇を固めている。
監督は2018年9月2日付題名紹介『クレイジー・リッチ!』
などのジョン・M・チュウ。製作はマーク・プラットとデイ
ヴィッド・ストーン。この2人は舞台版を立ち上げから手掛
けた生みの親だ。
物語は才能はあるが異形の女性と、才能は劣るが華やかさを
まとう女性の葛藤を描くもので、そこには人種など様々な差
別を想起するような表現も登場する。それらが現代に評価さ
れる所以でもあるのだろう。
因に製作者の2人は、上演時間に限りのある舞台では全てを
描き切ることができなかったとしており、その思いを存分に
注ぎ込んだ映画化ということだ。このため上映時間は今回公
開の“Part I”だけで2時間41分、さらに続くものだ。
とは言えかなりの長尺だが、実は劇中にはたっぷり時間を掛
けた群舞などが随所に登場してこの辺にはインド映画の影響
も感じさせた。でもまあ観ている間はあまり時間を感じさせ
ず、楽しんで観させてくれたものだ。
そしてそこにILMが手掛けたVFXが投入され、一面では
『LOTR』を髣髴させるファンタシーワールドが展開され
る。これは舞台では描き切れない。それも見どころと言える
作品だろう。
公開は2025年3月7日より全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社東宝東和の招待で試写を観て投
稿するものです。
『あの歌を憶えている』“Memory”
ジェシカ・チャステイン、ピーター・サースガード共演によ
るヒューマンドラマで、2023年の第80回ヴェネチア国際映画
祭にてサースガードがコンペティション部門の男優賞を受賞
した作品。
チャステインが演じるのはシングルマザーの介護士。娘との
関係は問題ないようだが、内面的にはいろいろトラブルを抱
えているようだ。そんな女性が同窓会のパーティで男性と出
会うが、彼は若年性認知症だった。
その出会いは、最初は誤解から始まったが、やがて誤解も解
けて関係が深まる。しかし認知症の彼には様々なトラブルも
付きまとう。そしてそのトラブルが彼女の別の問題も引きず
り出す。
2人以外の出演者は、2015年2月紹介『バードマン…』など
のメリット・ウェヴァー、モデル出身で本作が映画デビュー
のブルック・ティンバー、2018年8月5日付題名紹介『嘘は
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12月22日(日)
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