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On the Production
by 井口健二
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■ゆきてかへらぬ、くすぶりの狂騒曲、アプレンティス ドナルド・トランプの創り方
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『ゆきてかへらぬ』
大正期の詩人中原中也とその愛人で駆け出し女優だった長谷
川泰子、それに文芸評論家小林秀雄の関係を、2023年10月紹
介『ツィゴイネルワイゼン』などの田中陽造が脚色、2007年
5月紹介『サイドカーに犬』などの根岸吉太郎監督で映画化
した作品。
物語の始りは京都。古い家並みが続くその町で17歳の詩人と
20歳の女優が出遭う。やがて2人は東京へ旅立ち、東京では
詩人の才能を高く評価する評論家が2人を迎える。こうして
東京での3人の暮らしが始まるが…。
やがて3人の関係が縺れ始める。そしてそれは夭逝した詩人
の生涯に繋がって行く。そんな物語が、街並みを再現する大
掛かりなセットと、丁寧に演出された京都、東京の風情と共
に描かれて行く。
出演は2023年8月紹介『キリエのうた』などの広瀬すずと、
Netflix シリーズ『忍びの家』などの木戸大聖、2012年7月
紹介『ひみつのアッコちゃん』などの岡田将生。他に田中俊
介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、
藤間爽子、柄本佑らが脇を固めている。
また音楽を2008年8月紹介『レッド・クリフ』などの岩城太
郎が担当。さらに撮影を儀間眞悟、照明を長田達也、美術を
原田満生と寒河江陽子、衣裳デザインを大塚満など、錚々た
るメムバーがこの映画と若いキャストを支えている。
中原中也の自由詩に関しては、70年安保世代の自分としては
当時に話題にした記憶もあるが、それは混沌とした時代に生
きる現代の若者にも通じるところがあるかな。そんな気持ち
にもなる作品だった。
結局は三角関係の愛憎物語なのだけれど、その頂点は女優な
のか詩人なのか、しかもその結末が予想外の展開になって行
く。そんな不思議な物語が、見事に再現された大正期の風景
と共に描かれる。
正しく映画と言う感じの作品だった。それにしても1950年生
まれの根岸監督は70歳を超えているが、1990年代生まれの若
い俳優たちを相手によくぞこれを作り上げたという感じもし
た。
公開は2025年2月21日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷
他にて全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社キノフィルムズの招待で試写を
観て投稿するものです。
『くすぶりの狂騒曲』
2014年に開場した「大宮ラクーンよしもと劇場」を背景に、
そこに送り込まれた芸人たち「大宮セブン」の活動を、吉本
興業も製作に加えて描いた実話に基づくドラマ作品。
現在の「大宮セブン」には「マヂカルラブリー」「すゑひろ
がりず」「ジェラードン」などもいて、それなりの人気はあ
るようだ。そんな中で主人公の「タモンズ」は最初期からの
メムバーとされる。
しかしその発足時には観客0の日も頻繁にあり、会社からは
非難や悪口を浴びせられ、とても順調な活動ではなかった。
しかもそこにコロナ禍が襲い掛かる。そのため収入は激減、
主人公らはアルバイトを続けながらの活動となる。
そんな中から「すゑひろがりず」がM−1グランプリ決勝進
出を果たし、さらにR−1グランプリで野田クリスタルが優
勝、「マヂカルラブリー」がM−1グランプリで優勝など結
果が出始める。
しかし最初期からのメムバーの「タモンズ」には飛躍の切っ
掛けが掴めなかった。それでも藻掻き続ける彼らの姿が描か
れる。
出演は2023年4月紹介『オレンジ・ランプ』などの和田正人
と、2012年3月などで紹介『サイタマノラッパー』の駒根木
隆介。他に2022年10月紹介『I AM JAM』では脚本、監督、主
演を務めた辻凪子。
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12月01日(日)
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